一ノ瀬 美里さん 「女性はもっと輝ける」 |女性初のキャリア講師が語る覚悟とは

今回お話を伺ったのは、キャリア講師の
一ノ瀬 美里(いちのせ みさと)さんです。

女性初のキャリア講師として、同世代の若者に新しい道を示してきた一ノ瀬さんの
現在の活動に対する想いと女性の強さについてお聞きしました。

【現在】私だからこそできること


— 現在どんなことをされているのですか


キャリア講師として、20代30代の方向けのキャリアアップスクールで、セミナーの進行や、生徒さんに対してキャリアアップや営業力向上のための個別コンサルなどをさせていただいています。

“初の女性キャリア講師ということで、私自身この仕事に対して、強い情熱と使命感を抱いています。経営や独立などのビジネスの世界は、まだまだ男性社会で、‟男性だからできたんじゃないか”というイメージが、今でもぬぐい切れていないと思うんです。私はそのイメージを崩したいと思ってキャリア講師になることを目指しました。

女性でも「自分で選んだ人生を歩める」「やりたいことは行動すれば結果を出せる」ということを伝え続けていきたいですし、私自身がキャリア講師の活動を通して体現していきたいと思っています。


— キャリア講師への想いを教えてください。


この仕事をする中で、自分の可能性を自分で決めてしまっている20代~30代の方がとても多いように感じています。キャリア講師の活動を通して、その思い込みの課題点を解決していきたいと思っています。

「自分なんか」「自分には無理だ」と最初から諦めてしまって行動に移せていない人は本当に勿体ないです。昔は私も同じタイプでしたが、決めつけることをやめて行動しただけで、その時には‟想像もできないような成果が得られた”という経験がたくさんありました。可能性に自分で蓋をしなければ、変わるチャンスは誰もが掴めるんです。

私はキャリア講師として、マイナスな思い込みで立ち止まっている方々の背中を押す存在で在りたいと思っています。もちろん上手くいかずにもがく時期もありますが、私と関わった方々が、新たな事に常に前向きに挑めるように全力でサポートし続けていきたいという想っています。

【過去】内に秘めた本音


— 過去の一ノ瀬さんについて教えてください。


小さい頃からとても負けず嫌いな性格で、勉強も運動も全部「誰にも負けたくない!」という気持ちを常に心の中で燃やしていました。同時に、親や先生や友達みんなから‟よく見られたい!”というような典型的な優等生タイプの子どもでもありました。

それだけ聞くといい印象を受けるかもしれませんが、平和主義で誰からも嫌われたくないという性格から‟八方美人だ”と言っていじめられることもありました。そのことが原因で、人の顔色を伺うことが当たり前になり、理不尽に感じることがあっても‟自分さえ耐えればいい”と心の中で我慢して本音を溜め込んでしまうことが多かったです。

思い返すと「負けず嫌いな性格」と「周り人の顔色を気にして主張できない自分」の間での狭間でかなり長い年月葛藤していましたね。今は自分に正直に、相手にまっすぐ想いを伝えることができているので、自分らしく充実した楽しい日々を送っています。


— 挫折や、苦しかった経験はありますか?


社会人になって企業に勤めていた2年間は本当に苦しい時期でした。「個人の意見を求められていない」「ひとりの力では何も変えることができない」という会社の風通しの悪さを日々痛感し、自分の存在意義を見失っていました。

せっかく努力して入社できた企業だったので、‟会社の役に立ちたい”という気持ちで、始めの頃は私なりに、現状よりも効率を上げる方法や新しいアイデアなどを上司に提案していました。ところが、新入社員というだけで意見は聞き入れられる様子もなく、一社員では会社を少しも変えることができないという現実を突きつけられました。そういったことが積み重なり、仕事で充実感を得ることはほぼなくなりました。

雇用されている身だと、どうしても仕事の規模や評価、成果などが限られてしまいます。私は後悔する人生を送りたくなかったので、一度きりの人生、自分の可能性を信じてやってみたいことには全て挑戦しようという覚悟で独立の道を選びました。

【未来】道を示す存在へ


— 今後の展望や目標を教えてください。


キャリア講師の活動を通して、キャリアに悩む同世代の方々へ“可能性や選択肢は無限大にあるということを示し続けていきたいです。

本当は世の中は様々な選択肢に溢れているのに、キャリアに対する知識がないせいで「自分はこの会社でしか働けない」「会社員しかできない」と思い込んでいる方って本当に多いんです。私はそういった方々に、まずは目の前の選択肢以外の道を作るための支援をしていきたいです。

自分のスキルを磨いて会社員としての市場価値を高め頼られる存在になったり、独立してなんとなく思い描いていた理想や目標を叶えたり、想像するだけでワクワクする未来や選択肢はいくらでもあります。その未来の実現のために、私はキャリア講師として寄り添っていきたいと思います。


— 個人として成し遂げたいことはありますか?


今は個人事業主ですが、いずれは自分の会社を設立したいと考えています。女性社長の方々と関わる機会があり、‟いつか私もあんな女性になりたい”と憧れを抱くようになりました。より多くの人に影響を与えられるような存在になるためにも、「起業」は実現したい大きな目標のうちの一つです。

講師としてキャリアについて発信する立場上、勇気や希望を与えていける存在で在り続けたいと思っているので、‟こんな私でも起業ができる”ということを私の人生をもって証明していきたいと思っています。

【SDGs】もっと輝ける社会のために


— SDGsへの取り組みを教えてください。


今の活動を通して「4番:質の高い教育をみんなに」と「5番:ジェンダー平等を実現しよう」の2つの項目で貢献していきたいと考えています。

特にジェンダーの問題は、私が会社員時代に女性の役員陣の少なさや、女性というだけで下の立場に見られる風潮を実際に感じていたこともあり、日本が抱えている課題であり、今後改善すべき重要な問題だと捉えています。

これからは、性別関係なく人柄や能力のある人が公平に評価される社会を築くべきだと思っていて、‟女性だからできない”ではなく、女性ならではの感性や気づきを前面で活かせる環境づくりに貢献していきたいです。教育活動とも連動して、今よりももっと女性の独立や起業が当たり前になる社会を目指していきます。

【若者へエール】小さな一歩の力


― 若い世代の方々へメッセージをお願いします。


キャリアに悩んだ私だからこそ、たった一歩のアクションを起こすことの大切さを伝えたいです。今、キャリアに悩んでいる方、辛い職場環境を我慢して仕事を続けている方って本当に多いと思うんです。私も、変わりたいけどどうしていいか分からず立ち止まる時期がありました。

そんな私がなぜ変われたのかというと、本当に小さなアクションの積み重ねをしただけなんです。興味のある仕事や働き方などをネットで検索するだけでも、新しい選択肢のヒントに出会えることがたくさんあります。

きっかけはどんな些細なことでもいいんです。自分の可能性を信じて、期待感をもって諦めずに行動を続けることで、理想のキャリアを実現することができます。人生は自分次第で変えることができるということを信じて突き進んでください。


一ノ瀬さんへのインタビューを終えて

今回、一ノ瀬さんにインタビューさせていただいて、キャリア講師に対する熱意や自分を信じることの大切さについて伺うことができた。

職場の人間関係や労働条件に対して不満や不安を抱えているのに、現状維持を選択している人が現代本当に増えている。「自分なんか」と決めつけずにまずは小さな行動を起こすだけでも、新しい道を切り開くチャンスが転がっているのだと気付かされた。

可能性に蓋をするのも、可能性を信じて人生を変えるのも全ては自分次第。人生を変えるための一歩を踏み出す勇気を与えられるような情報を、今後も本メディアでも発信していきたい。

toyoshima

インタビュアー 兼 ライター

株式会社パーソナルナビ メディア事業部。
四年制大学の教育学部を卒業後、都内小学校に勤務。
退職後は教育者の経験を活かし、20代~30代を中心にキャリアアップ支援事業を行う現職に就く。

プロフィール

【氏名】
一ノ瀬 美里(いちのせ みさと)

【事業内容】
人材教育

【経歴】 
1997年生まれ。長崎県出身。
22歳で東証一部上場企業に入社。
退職後、フリーランスとしてフルコミッションの営業職に転身して上京。
上京後、2ヶ月でトップセールスを取る。その後、キャリア講師として活躍。


肩書
株式会社i3 experience:講師

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