この記事は、やりがいを感じられなかったり、人間関係で悩む公務員向けに辛い職場環境の改善方法をまとめています。今の職場に残るべきか、転職を検討するべきかが判断できるようになります。
監修者 | 経歴 |
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豊島 | 株式会社パーソナルナビ メディア事業部。 キャリアアップメディア『THE CAREER』 のインタビュアー兼ライター。 四年制大学の教育学部を卒業後、 都内公立小学校に勤務。 退職後は教育者の経験を活かし、 20代~30代を中心にキャリアアップ支援事業を行う現職に就く。 |
公務員を「辞めたい」「辛い」と感じる理由
独自で行ったアンケートを基に、公務員の業務を行う中で、辞めたい・辛いと感じる理由をまとめました。
理由1位:自分にしかできない仕事が少なく、やりがいを感じない
毎年同じ仕事を繰り返すため、業務がルーティン化し、自分にしかできない仕事は少ない傾向にあります。その結果、やりがいを感じられない方が多くいらっしゃいました。
また、仕事を外部に流すだけで自分は何もしないケースもあり、自分が役に立っているという実感を得づらいようです。
元公務員の声
県庁の職員
工事の監督員で自分は調整をしていました。工事は施工業者、地元調整は土地改良区で、正直自分がいなくても仕事は進むのがつらかったです。
滋賀県職員
県民のために働きたいと思っていましたが、変えられる雰囲気ではありせんでした。皆さんのために働けているのだろうかと疑問に思いながら業務するのがつらかったです。
理由2位:保守的な人が多く、業務を改善できない
安定性に惹かれて就職する人が多いため、職場には保守的な人が多いようです。業務を改善するためには根回しなどが必要になり、なかなか改善に至らないという回答結果も見られました。
元公務員の声
霞が関某官庁
住民と触れ合う機会がなく、人間関係が官庁のみなので窮屈感を感じていました。しかも古い考え方の人が多く、仕事を進めづらかったです。
県職員・事務職
IT化をして業務効率化を目指しましたが、「楽なことを考えるな」と否定されました。既存の業務を変えたくない・自分の仕事を守りたいという風潮が強すぎます。
理由3位:住民のクレーム対応がつらい
窓口で住民と接する機会があり、理不尽なクレームを受けることがあります。中には職員に罵声を浴びせる住民もおり、そのストレスから退職に至るケースもありました。
元公務員の声
東京都事務職員
窓口で住民からの理不尽なクレームが多く、本業に集中できないことが多々ありました。
県職員
「俺は○○の部長なんだぞ」と言いながら、理不尽に説教してくる方がいました。未だになぜ怒られたのか納得がいきません。
仕事のストレスを解消して、辛い気持ちを抑える方法
公務員を辞めた方10名へのアンケートを参考に、辞めたいと感じる理由への対処法をまとめました。
Q. やりがいのなさを改善するには?
A. 関係者の要望を聞き、自分の仕事を生み出す
職務関係者のところを回って要望を聞き、その要望が実現可能であれば自身の仕事に組み込みましょう。自分で生み出した仕事になるため、やりがいや責任感を感じられます。
例えば「売上を自動で計算管理したい」という要望であれば、エクセルのマクロを作成するのが良いでしょう。
Q. 保守的な職場で業務を改善するには?
A. 住民の意見を聞いて企画を立てる
住民にアンケートを取り、データに基づいて何をすれば喜ぶのかを考えます。住民が望むことを数値で示しながら企画提案できるので、保守的な環境でも意見が通りやすくなります。
A. 影響力のある上司の助けを借りる
意見や提案を通すのが困難な場合、影響力のある上司に代わりに伝えてもらいましょう。保守的な環境では、下からではなくトップダウンの意見なら通りやすい場合があります。
Q. 住民のクレーム対応を改善するには?
A. 相手に視線を向け、相槌を打ちながら話を聞く
クレーマーには、そもそも「話を聞いてほしい」「自分の存在価値を認めて欲しい」という方が多いです。そのため、まずは聞き役に徹し、真剣に話を聞いている姿勢を見せましょう。
話の最初は辛いかもしれませんが、早々に満足してもらうことで、結果的にクレーム対応の時間を短くできます。
A. 専門の相談員を配置する
クレーム対応専門の相談員を配置することで、本来の業務に専念できます。理不尽なクレームには専門の相談員が対応することで、問題の解決につながります。
どうしても辞めたい・辛い気持ちが消せない場合は
自分がやりたいことを洗い出してみる
やりたいことが明確でないと、今後も同じ不満を抱えてしまう可能性があります。自身の目指すキャリアを明確にし、やりたい方向に向かっているのか、自己分析しましょう。
自己分析が1人でできない・うまく行かない場合は、「i3 アカデミー」の無料自己診断がおすすめです。無料診断やキャリアプランナーの無料相談など、お悩みにあった解決方法が必ず見つかります。
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もし仕事を辞めて、転職するならどうしたらいい?
まずは職種を変えるか検討しましょう。決める基準としては年齢が大きく関わってきます。
20代であれば、興味のある業界に飛び込んでも問題ありません。30代以降であれば、これまでの経験を活かせる職種の中で検討がおすすめです。
経験を活かせる次の職種
総務
事務処理の多い総務は、同じく事務処理が多い公務員が活躍できる職種です。多くの企業には総務部が存在するため、転職する場合は公務員経験が有利に働くでしょう。
営業
公務員は、住民や民間企業の方と関わる機会が多くあります。協調性のある方も多いため、人との折衝がメインになる営業の場で、経験を最大限に活かせます。
どこで仕事を探すのがいいの?
仕事を探す方法は大きく3つの方法があります。
種類 | 転職サイト | 転職エージェント | 人からの紹介 |
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特徴 | サイトに掲載された求人から選び、自分で応募 | キャリアアドバイザーのサポートを受けつつ転職先を探す | 知人や社員の紹介・推薦により選考が始まる |
メリット | 好きなタイミングで、行きたい企業に応募可能 | 転職先調査などを代行してもらうため、手間がかからない | 書類選考が免除される場合がある |
デメリット | 求人に応募が殺到し、反応がないことがある | アドバイザーに当たり外れがある | 不採用時に紹介者との関係が悪化する可能性あり |
どの方法を選ぶにせよ、まずは第三者に相談をして客観的な意見を聞いてみることをおすすめします。
みんなはどうしてる?公務員の退職・転職状況
総務省の令和2年度「地方公務員の退職状況等調査」を見ると、公務員の離職率は1.35%と低い傾向にあります。
しかし、年代別退職者の割合は20代が39%と最も多く、続いて30代が32.6%と、若年層ほど公務員を辞めている傾向が見て取れます。
やりがいや将来性を感じることができず、他の業界・職業へ転職する方が多いようです。
仕事を辞めた人、転職した人の体験談
20代・新卒の方の体験談①
なぜその職業に転職したのか
安月給で仕事をしなければならない状況が続いたためです。自分が担当した工事件数は、先輩職員の倍の量でしたが、年功序列のため給料は先輩職員の方が倍近くでした。
転職してよかったこと
給与に見合った業務量になったことです。手が空いたら業務が割り振られ、忙しければお互い協力。同じ役職の人は平等な業務量になり、多く働いた人はちゃんと役職も上がります。
転職して後悔したこと
休みが取りにくいことです。1週間以上前に事前に休みを申請しないと休めず、有給の日数が少ないです。
20代・新卒の方の体験談②
なぜその職業に転職したのか
霞が関某官庁は、珍しいホワイト職場としてアンケートなどで選出されるものでした。人間関係の良さを含めあまりに楽だったので、ここ以外で働けなくなると思い転職しました。
転職してよかったこと
自分で勉強したことが、ダイレクトに自分の評価に返ってくることです。業務上必要になった海外の個人情報規制について独学で勉強したところ、その分野で一目おかれる存在になりました。
転職して後悔したこと
スピード感についていけなかったことです。転職先が外資系の大手監査法人ということで、以前のぬるま湯体質よりスピード感が求められ、最初は慣れませんでした。
30代の方の体験談①
なぜその職業に転職したのか
担任業務が忙しい上に、クセの強い住民対応などに追われる環境だったため。また自分より若手がおらず、必然的に上司のイエスマンにならざるを得なかったのも辛かったです。
転職してよかったこと
以前の職種とは異なり、労働時間が短くなりました。ストレスを溜め込まずに仕事ができるので、体調の改善にも繋がりました。
転職して後悔したこと
収入は大きく下がりました。ボーナスもありません。子どもと一緒に過ごす時間ができて嬉しいですが、収入に関しては後悔しています。
30代の方の体験談②
なぜその職業に転職したのか
やりがいを感じなかったからです。組織の駒といった感覚が強く、自身の業務が組織運営に関わっている実感がありませんでした。
転職してよかったこと
自分の裁量権が大きくなったことです。転職先は450人程度の規模で、前職より人数が少ないため、若手のころから責任の重い仕事に取り組めます。仕事に向き合う姿勢が積極的になりました。
転職して後悔したこと
年収が下がったことです。首都圏本部の時は地域手当等の調整手当が多く、給与面で優遇されていました。
40代の方の体験談①
なぜその職業に転職したのか
東日本大震災当時、省内では初動が遅く、二転三転して対応が遅れていました。会議や調整などに無駄に時間がかかっていたので、被災地や被災者のことを全然考えていないと疑問に感じ退職しました。
転職してよかったこと
社会に対する視野が広がったことです。公務員の時は決まった業種の人としか接しなかったため、視野が狭くなっていたと思います。転職後は様々な業種の人と接し、インプットが増えています。
転職して後悔したこと
仕方ないことですが年収がかなり下がりました。ただ、その他の環境や設備は良いので、転職したことには満足しています。
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