不動産営業を辞めたい、辛いときのストレス解消法|辞めるか続けるべきかの判断基準を解説

この記事は、厳しいノルマや職場での上司からの圧力に悩む不動産営業向けに辛い職場環境の改善方法をまとめています。この記事を読むことで、今の職場に残るべきか、転職を検討するべきかが判断できるようになります。

監修者経歴
豊島
豊島
株式会社パーソナルナビ メディア事業部。
キャリアアップメディア『THE CAREER』
のインタビュアー兼ライター。
四年制大学の教育学部を卒業後、
都内公立小学校に勤務。
退職後は教育者の経験を活かし、

20代~30代を中心にキャリアアップ支援事業を行う現職に就く。

不動産営業を「辞めたい」「辛い」と感じるランキング

独自で行ったアンケートを基に不動産営業の業務を行う中で、辞めたい・辛いと感じる理由をまとめました。

理由1位:ノルマによるプレッシャー

営業職では一般的なノルマですが、不動産業では1件ごとの金額単位が大きいため、顧客が即決することは少なく、ノルマ達成も難しい傾向にあります。

また、獲得件数に合わせてインセンティブが入ることも多く、基本給自体は低く設定されているケースも多いようです。その場合、ノルマ達成や獲得件数の状況により収入が大幅に変動するため、精神的ダメージも大きくなります。

元不動産営業の声

20代 不動産<br>の賃貸仲介営業
20代 不動産
の賃貸仲介営業

毎月のノルマがありました。結果を出せば報われるのですが、結果が出ない時は上司に追い込みをかけられたので、精神的にきつかったです。

20代 不動産<br>売買の営業
20代 不動産
売買の営業

新規物件のアポイントを取らなければいけませんでした。1つも取れない時は、かなり叱られるため死に物狂いで獲得を目指していました。

理由2位: ブラック企業体質

営業職では、結果が全てという考えが根強く残っており、ノルマを未達成の者は深夜までサービス残業をしなければならないなどの暗黙の了解があるようです。

また上司からのパワハラも常態化しています。結果を残している者は優遇され、そうでない者は上司や同僚から軽視される環境があるようです。

元不動産営業の声

20代 不動産の<br>住宅販売営業
20代 不動産の
住宅販売営業

定時まで営業活動をして、そこから資料作成や次の日の準備という1日で、毎日23時以降まで残業する日もよくありました。

20代 不動産の<br>住宅販売営業
20代 不動産の
住宅販売営業

「契約が取れなければ自分が買え」などのパワハラがありました。平日休みの内1日は、サービス出勤しなければいけませんでした。

理由3位:顧客へ全て話せない罪悪感

不動産営業では、顧客にとって大きな買い物であり、顧客が提示する要望や条件も細かい傾向にあります。ただ、企業で紹介できる物件は限られているため、いかに顧客の要望を自社の物件に寄せていくかが営業の鍵となります。

情報の一部を顧客に伝えないことで契約につなげる営業手法も多く、自分が顧客を欺いているような罪悪感を持つ方も多いようです。

元不動産営業の声

20代 不動産の賃貸仲介営業
20代 不動産の賃貸仲介営業

いかにそのお客様の要望に合うように話を作っていくかが、営業マンの腕の見せ所という風に会社内でマインドコントロールされていた、と今になって思います。

20代 不動産の<br>住宅販売営業
20代 不動産の
住宅販売営業

嘘はついていなくても、自分の話術で顧客の意識を誘導しているような気持ちになることがありました。

仕事のストレスを解消して、辛い気持ちを抑える方法

不動産営業を辞めた方10名へのアンケートを参考に、辞めたいと感じる理由に対する対処法をまとめました。

Q. ノルマによるプレッシャーを解消するには?

A. データを細かく分析する。

月毎のノルマは、日割りの目標数値に計算し直します。ノルマだけでなく、自分が一日あたり何件アプローチをかけているのか、テレアポの件数や見込み件数も、毎日データとして記録していく必要があります。何件のアプローチで1件の契約が取れているのか数字が分かれば、1日に必要な活動数も見えてきます。

月ベースの大きな数字では分かりずらいことも、1日単位に変換することで自分が今何をしなければいけないのかが明確になります。

A. 先輩の技をぬすむ。

事業所に1人は、毎月良い営業成績を残している方がいます。そのような先輩に営業のノウハウを積極的に聞いてみましょう。結果が出ないと営業職の業務は辛く感じやすいですが、しっかりと自分のやり方を確立できればやりがいが出てきます。

営業のアドバイスを求める際は、営業トークだけでなくリスト整理の方法や書類作成のコツなど、営業につながる業務全体を意識することが重要です。

Q. 働きやすくするには?

A. 社外の友人に相談する。

なんとなく会社の方針や働き方に疑問を抱く場合は、会社と関わりのない友人に話をしてみましょう。まずは自分が感じる不満が客観的に「正当」なのか、判断することが大切です。

友人の働き方と比較することで、自分が求める改善点も明確になります。会社に求める改善点がわかれば、その後の上司への相談もスムーズに進むでしょう。

A. 転職を検討する。

時間外労働やパワハラが常態化している職場では環境改善は難しいことも多く、職場を変える方が合理的な場合もあります。

ただ、転職を勢いで決めてしまうと年収が下がってしまったり、現職より職場環境が悪かったりとトラブルになるケースも少なくありません。転職サイトやキャリアカウンセリングなど、プロと一緒に自分のキャリアを見つめ直すことがおすすめです。

Q. 営業トークで罪悪感を払拭するには?

A. 物件の特徴をまとめてる。

トーク内容で「お客様を騙している気がする」「なんとなく後ろめたい」と感じるのは、自分の担当物件を「いい物」と思えていないからです。今一度、自分が担当する物件のメリット・デメリットを洗い出してみましょう。

紹介する物件の理解を深めることで、どのようなニーズに合う物件なのかがハッキリと分かります。魅力が分かれば、自信を持ってお客様にお勧めできるようになります。

どうしても辞めたい・辛い気持ちが消せない場合は

自分がやりたいことを洗い出してみる

やりたいことが明確でないと、今後も同じ不満を抱えてしまう可能性があります。自身の目指すキャリアを明確にし、やりたい方向に向かっているのか、自己分析しましょう。

自己分析が1人でできない・うまく行かない場合は、「i3 アカデミー」の無料自己診断がおすすめです。無料診断やキャリアプランナーの無料相談など、お悩みにあった解決方法が必ず見つかります。

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もし仕事を辞めて、転職するならどうしたらいい?

まずは職種を変えるか検討しましょう。決める基準としては年齢が大きく関わってきます

20代であれば、興味のある業界に飛び込んでも問題ありません。30代以降であれば、これまでの経験を活かせる職種の中で検討がおすすめです。

経験を活かせる次の職種

不動産コンサルタント

営業時代にいくつも経験した、お客様の不動産に関するお悩みや相談が役立ちます。専門試験に合格する必要があるものの、独立がしやすく年収も高いため、自分に合った働き方が実現できます。

営業事務職

営業周りの事務処理を担当する職種です。営業経験があることで、現場のニーズを理解した上で業務にあたることができます。培ったコミュニケーション能力を活かして社内連携が取れるでしょう。

どこで仕事を探すのがいいの?

仕事を探す方法は大きく3つの方法があります。

種類転職サイト転職エージェント人からの紹介
特徴サイトに掲載された求人から選び、自分で応募キャリアアドバイザーのサポートを受けつつ転職先を探す知人や社員の紹介・推薦により選考が始まる
メリット好きなタイミングで、行きたい企業に応募可能転職先調査などを代行してもらうため、手間がかからない書類選考が免除される場合がある
デメリット求人に応募が殺到し、反応がないことがあるアドバイザーに当たり外れがある不採用時に紹介者との関係が悪化する可能性あり

どの方法を選ぶにせよ、まずは第三者に相談をして客観的な意見を聞いてみることをおすすめします。

みんなはどうしてる?不動産営業の退職・転職状況

厚生労働省「令和2年雇用動向」調査より引用

不動産営業の離職率に関して、明確なデータは現状存在しません。しかし、不動産営業は不動産業、物品賃貸業に分類されるため、不動産業、物品賃貸業の離職率が参考になるでしょう。

厚生労働省の令和2年の調査結果では、不動産業、物品賃貸業の離職率は14.8%です。

営業ノルマが厳しいことや結果重視の職場環境が一因だと考えられます。あなた以外にも辛い職場を経験し、他の業界・職業へ転職する方が多いようです。

仕事を辞めた人、転職した人の体験談

20代の方の体験談①

転職先:NPO法人の事務職員

なぜその職業に転職したのか

元 注文住宅<br>の販売営業
元 注文住宅
の販売営業

前職では、注文住宅の受注のため、時間や曜日を問わず働いていました。数字を追うことにも精神的に負担を感じ、職場環境が整っている現職に就きました。

転職してよかったこと

転職先ではノルマ以外のやりがいを感じ、同僚とも助け合いながら仕事ができるようになりました。数字以外の仕事の喜びを感じています。

転職して後悔したこと

年収が大幅に減りました。大きな後悔ではありませんが、営業時代にもっとお金を大切に使えばよかったと感じています。

20代の方の体験談②

転職先:建設現場の職人

なぜその職業に転職したのか

元 不動産<br>の賃貸仲介業
元 不動産
の賃貸仲介業

残業してもサービス残業になったり、昼休憩等も取れない日があったりしました。福利厚生がしっかりしている職場で働きたいと考えました。

転職してよかったこと

今までは歩合制度により給料の安定が見込めなかったのですが、固定給になることによりその不安がなくなりました。

転職して後悔したこと

現職は車で30分かかるため、朝起きる時間が早くなってしまいました。また始業時間も前職に比べ早いため、朝は家でゆっくり過ごせません。

30代の方の体験談①

転職先:旅行会社の営業職

なぜその職業に転職したのか

元 不動産<br>の賃貸仲介業者
元 不動産
の賃貸仲介業者

数字が上がらなくなり、毎回上司に追い込みをかけられ、モチベーションが完全に低下してしまいました。営業職の中でも自分のペースを保てる職場に移りました。

転職してよかったこと

国内・海外の観光地に行くことができ、お客様と同じ絶品のグルメを無料で味わえるのはこの仕事の特権です。

転職して後悔したこと

コロナの影響を受け、旅行業界は売上が確保できなくなりました。ボーナスも減額になったため、年収が下がってしまいました。

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