この記事は生徒の成績が伸びないことや高いノルマにで悩む塾講師向けに辛い職場環境の改善方法をまとめています。この記事を読むことで、今の職場に残るべきか、転職を検討するべきかが判断できるようになります。
監修者 | 経歴 |
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豊島 | 株式会社パーソナルナビ メディア事業部。 キャリアアップメディア『THE CAREER』 のインタビュアー兼ライター。 四年制大学の教育学部を卒業後、 都内公立小学校に勤務。 退職後は教育者の経験を活かし、 20代~30代を中心にキャリアアップ支援事業を行う現職に就く。 |
塾講師を「辞めたい」「辛い」と感じる理由ランキング
独自で行ったアンケートを基に塾講師の業務を行う中で、辞めたい・辛いと感じる理由をまとめました。
理由1位:生徒の成績が伸びず責任を感じる
教えている生徒の成績が伸びない場合は責任を感じます。成績が伸びない要因は複数ありますが、真面目な方ほど「自分のせいだ」と罪悪感を感じてしまうようです。
また、塾の方針によっては生徒一人ひとりに細やかな指導ができないことも。生徒の成績を思い通りに伸ばせないことが離職の1要因になっています。
元塾講師の声
担当の生徒の結果が出ないと、塾を変えられたり、マネージャーから強く責められました。
前職の塾では指定のテキストを使うため、生徒に合ったペースや内容で授業ができず、成績も伸びなくて悩みました。
理由2位:ノルマ達成へのプレッシャーがある
塾によっては、入塾者数や受講者数のノルマを負わされることがあります。
生徒は成績が上がらなければ塾を辞めてしまいます。そのため、授業以外に生徒数を増やすための営業をしなければならず、そのノルマをプレッシャーに感じている塾講師は多くいらっしゃいます。
元塾講師の声
毎月の会議で生徒数の増減に関して上長から強く指摘されました。解決策を一緒に考えてくれるわけでもなく、精神的に辛かったです。
営業のノルマがあり、達成のために残業もあって大変苦労しました。ポスティングなども大変でした。
理由3位:業務が多岐にわたり、残業・時間外労働が発生する
授業以外にも保護者からのクレーム対応などがあり日々多忙です。時間外業務や残業などが常態化しており、体調を崩して離職した方もいました。
元塾講師の声
毎週研修がありました。移動も含めるとかなり時間がかかり、準備のための残業も多かったです。
時間が足りず、授業の準備も十分にできませんでした。
仕事のストレスを解消して、辛い気持ちを抑える方法
塾講師を辞めた方10名へのアンケートを参考に、辞めたいと感じる理由に対する対処法をまとめました。
Q. 生徒の成績が伸びず責任を感じる状況を改善するには?
A. 生徒が苦手科目を克服できるように努める
苦手科目を克服できるよう環境を整えます。各生徒の苦手科目に合わせてテキストを変えたり、ICT教材(アプリなど)を使用するなど、効率的に学習できるように授業を行うと良いでしょう。
A. 勉強量を増やすよう指導する
暗記科目は勉強量に比例します。効率だけを考えて勉強させるのではなく、ある程度の勉強量を生徒に求めるのもおすすめです。
Q. ノルマ達成に追われる状況を改善するには?
A. 上司や先輩にアドバイスをもらう
営業の仕方や作成したチラシを見てもらい、意見やアドバイスをもらいます。自分では気づかない改善点が分かり、より効果的な生徒集客ができるでしょう。
A. 効率が良くなる方法がないか、再度自問自答する
テレアポやチラシ配りなど、実施する時間帯・場所・ターゲットを十分に検討しましょう。
父母ではなく祖父母を対象としたり、入塾対象年齢より低い年齢の子どもにもアピールするなど、より効率の良い営業があるかもしれません。
Q. 残業や時間外労働を減らすには?
A. 他の人に任せられることはお願いする
自分がやらないといけないと思っていた業務も、他人に頼んでみると代わりに対応してもらえることがあります。
そのためには、日頃から後輩やアルバイトの方達との関係性を築いておくことが大切です。
A. 仕事ごとに必要な時間を洗い出す
まずは各業務にかかる時間を洗い出しましょう。業務時間が合計10時間必要と分かれば、その時点で8時間に収める方法がないか上司に相談できます。
業務時間の目安が分からなければ、上司や塾長もどう改善すべきか分かりません。まずは業務量を可視化するのがおすすめです。
どうしても辞めたい・辛い気持ちが消せない場合は
自分がやりたいことを洗い出してみる
やりたいことが明確でないと、今後も同じ不満を抱えてしまう可能性があります。自身の目指すキャリアを明確にし、やりたい方向に向かっているのか、自己分析しましょう。
自己分析が1人でできない・うまく行かない場合は、「i3 アカデミー」の無料自己診断がおすすめです。無料診断やキャリアプランナーの無料相談など、お悩みにあった解決方法が必ず見つかります。
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もし仕事を辞めて、転職するならどうしたらいい?
まずは同じ職種か新しい職種かを決めましょう。決める基準としては年齢が大きく関わってきます。
20代であれば、興味のある業界に飛び込んでも問題ありません。30代以降であれば、これまでの経験を活かせる職種の中で検討することをおすすめします。
経験を活かせる次の仕事
カウンセラー
勉強から私生活まで、常に生徒や保護者の話を聞く立場です。人の意見や気持ちを汲み取る能力は、カウンセラー業務に活かせます。
営業
生徒や父母等への対応経験から、幅広い年代の方とスムーズに会話ができます。同業他社との違いを説明したり、自社の良さを明確に伝えたりするスキルが活かせるでしょう。
どこで仕事を探すのがいいの?
仕事を探す方法は大きく3つの方法があります。
種類 | 転職サイト | 転職エージェント | 人からの紹介 |
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特徴 | サイトに掲載された求人から選び、自分で応募 | キャリアアドバイザーのサポートを受けつつ転職先を探す | 知人や社員の紹介・推薦により選考が始まる |
メリット | 好きなタイミングで、行きたい企業に応募可能 | 転職先調査などを代行してもらうため、手間がかからない | 書類選考が免除される場合がある |
デメリット | 求人に応募が殺到し、反応がないことがある | アドバイザーに当たり外れがある | 不採用時に紹介者との関係が悪化する可能性あり |
どの方法を選ぶにせよ、まずは第三者に相談をして客観的な意見を聞いてみることをおすすめします。
みんなはどうしてる?塾講師の退職・転職状況
塾講師の離職率に関して、明確なデータは現状存在しません。しかし塾講師は教育・学習支援業に属するため、教育・学習支援業界の離職率が参考になるでしょう。
厚生労働省の調査結果では、教育・学習支援業の離職率は15.6%です。
生徒の成績が伸びないことやノルマ達成へのプレッシャーがあり、想像よりも肉体的・精神的に辛いことが一因だと考えられます。あなた以外にも辛い職場を経験し、他の業界・職業へ転職する方が多いようです。
仕事を辞めた人、転職した人の体験談
20代の方の体験談①
なぜその職業に転職したのか
作業員
時間外での予習や準備が多いからです。午後出勤でも午前中に生徒の課題を確認し予習。また夜は22時〜23時まで業務でした。
転職してよかったこと
規則正しい生活ができることです。朝に出勤して夕方に仕事を終え、夜に寝るという、一見当たり前のことですが、塾講師はそれができません。
転職して後悔したこと
人に何かを教える機会がなくなったことです。教えることを通じて、プレゼン能力がかなり身についたので、少し後悔しています。
20代の方の体験談②
なぜその職業に転職したのか
インフラ設計
専門業種に就きたいと思ったからです。生徒たちが使うPCと塾長が使うPCのネットワークを構築し、指導効率を上げました。その際にインフラ構築に興味を持ち、転職しました。
転職してよかったこと
休みが増え給与が上がったことです。土日祝休みになり手取りは2倍になりました。
転職して後悔したこと
勤務地が遠くなり、通勤時間が伸びたことです。給料が上がろうが、休みが増えようが、毎日の通勤時間はものすごくもったいないです。
20代の方の体験談③
なぜその職業に転職したのか
年間休日が50日ほどしかなく、労働時間が長い割には年収が少なかったからです。売り上げを伸ばすと給料に反映されるシステムでしたが、分配される割合も少なく、やる気を失い転職しました。
転職してよかったこと
パワハラから解放されたことです。労働時間や社訓的なものを含めパワハラが常態化した環境でした。今はコンプライアンスに厳しい大企業なのでストレスはありません。
転職して後悔したこと
周りに同年代の同僚がいないことです。転職先の本社管理本部は、新卒採用がなく同僚は年配の方が多く、少し寂しかったです。
20代の方の体験談④
なぜその職業に転職したのか
生活リズムが崩れる上に、福利厚生がほぼないからです。授業後に事務処理等をして帰宅が深夜になることは日常茶飯事でした。
転職してよかったこと
朝起きて仕事に向かえるライフスタイルになったことです。勤務終了後に予定を入れることができるようになりました。
転職して後悔したこと
品行方正に生きなければならないことです。公務員は規則が厳しく髪を染めることも難しくなりました。
40代の方の体験談①
なぜその職業に転職したのか
養護学校の
非常勤講師
社会的に困っている人に寄り添い、力になれる仕事をしたかったからです。塾講師もやりがいはありましたが、本当にやりたいことをしたく転職しました。
転職してよかったこと
勤務時間が決まっていることです。ストレスや身体の不調を感じない働き方ができるようになったので嬉しいです。
転職して後悔したこと
年収が下がったことです。やりがいを求めての転職ですが、やはり生活していく中での給与面が苦しくなったのは後悔しています。
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