この記事は人手不足やサービス残業で悩む栄養士向けに辛い職場環境の改善方法をまとめています。この記事を読むことで、今の職場に残るべきか、転職を検討するべきかが判断できるようになります。
監修者 | 経歴 |
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豊島 | 株式会社パーソナルナビ メディア事業部。 キャリアアップメディア『THE CAREER』 のインタビュアー兼ライター。 四年制大学の教育学部を卒業後、 都内公立小学校に勤務。 退職後は教育者の経験を活かし、 20代~30代を中心にキャリアアップ支援事業を行う現職に就く。 |
栄養士を「辞めたい」「辛い」と感じるランキング
独自で行ったアンケートを基に栄養士の業務を行う中で、辞めたい・辛いと感じる理由をまとめました。
理由1位:サービス残業が多い
サービス残業が当たり前になっているケースが多いです。残業代が支払われないことに不満を感じ、離職する方も多く見られました。
元栄養士の声
上司がやるべき仕事をやらされ、時間外労働に。帰宅時間が遅くなり家族の不満が爆発しました。
人手が足りず、職員が1人でも休むと残業が発生する職場でした。精神的に疲れました。
理由2位:パワハラなど、人間関係の悩みが多い
上の立場にある先生からの圧力に、悩みを抱える方が多くいらっしゃいました。断る選択肢がなく、派閥争いに巻き込まれるケースも。
元栄養士の声
上下関係が厳しく、同期と話すことしかできませんでした。離職する人も多く、落ち着いて仕事ができません。
仕事でミスがあり、それ以来嫌味や嫌がらせが続き、精神的につらかったです。
理由3位:栄養指導や売上のノルマがプレッシャーになる
入院患者があると、栄養指導が必要ではない患者にも指導する場合があります。ノルマ達成のために行う栄養指導に、疑問を抱く方が多いです。
担当する企業の社員食堂の売上が上がらずプレッシャーになっているケースも多く見られました。
元栄養士の声
透析室の患者に、月に1回指導していました。改善につながる指導とは思えず、患者に声をかけるのも申し訳なかったです。
契約上、食材費や人件費が高騰しても販売価格を上げられません。それにも関わらずノルマを強いられ不満に感じていました。
仕事のストレスを解消して、辛い気持ちを抑える方法
栄養士を辞めた方10名へのアンケートを参考に、辞めたいと感じる理由に対する対処法をまとめました。
Q. サービス残業が起こる状況を改善するには?
A. 人事部に相談する
人手不足が原因のケースが多いため、人事部に増員の相談をしましょう。また、残業が常態化していることも伝えておけば、人事も対策を打ちやすくなります。
A. 事務仕事の効率化
手書きで行っている事務仕事をパソコンで処理しましょう。例えば、発注書などの記入は、PCで行なう方がミスも少なく早くなります。
Q. パワハラなど、人間関係の悩みを解決するには?
A. 話しやすい環境をつくる
自分から話しかけたり、周りを気にかけるように心がけましょう。食事などの誘いがあれば、可能な範囲で参加してみるとお互いを理解する機会になります。
A. 上司の理解を得る努力をする
パワハラを受けている事実を、まずは上司に報告しましょう。積極的に意見を伝え続ければ、上司の理解が得られる場合があります。
また伝える際に、感情ではなく事実を淡々と伝えれば、上司も状況を把握しやすくなります。
Q. 栄養指導や売上のノルマを改善するには?
A. 栄養指導を評価するツールを利用する
そもそも栄養指導件数のノルマ化は、お客様本位ではない指導の実施や、指導の質低下など、悪い面が多く見られます。
栄養指導の過程を重視したり、ノルマを廃止できないかを上司に提案しましょう。栄養指導の評価ツールは実際に存在します。
どうしても辞めたい・辛い気持ちが消せない場合は
自分がやりたいことを洗い出してみる
やりたいことが明確でないと、今後も同じ不満を抱えてしまう可能性があります。自身の目指すキャリアを明確にし、やりたい方向に向かっているのか、自己分析しましょう。
自己分析が1人でできない・うまく行かない場合は、「i3 アカデミー」の無料自己診断がおすすめです。無料診断やキャリアプランナーの無料相談など、お悩みにあった解決方法が必ず見つかります。
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もし仕事を辞めて、転職するならどうしたらいい?
まずは同じ職種か新しい職種かを決めましょう。決める基準としては年齢が大きく関わってきます。
20代であれば、興味のある業界に飛び込んでも問題ありません。30代以降であれば、これまでの経験を活かせる職種の中で検討することをおすすめします。
経験を活かせる次の仕事
調理員
栄養士がフォローしている知識・技量は、調理師よりも幅が広いです。調理において、経験をそのまま活用できます。
健康相談員
臨床現場にいた経験を活かせます。健康診断で指導が必要となった人に、病気予防のアドバイスや治療の指導ができます。
どこで仕事を探すのがいいの?
仕事を探す方法は大きく3つの方法があります。
種類 | 転職サイト | 転職エージェント | 人からの紹介 |
---|---|---|---|
特徴 | サイトに掲載された求人から選び、自分で応募 | キャリアアドバイザーのサポートを受けつつ転職先を探す | 知人や社員の紹介・推薦により選考が始まる |
メリット | 好きなタイミングで、行きたい企業に応募可能 | 転職先調査などを代行してもらうため、手間がかからない | 書類選考が免除される場合がある |
デメリット | 求人に応募が殺到し、反応がないことがある | アドバイザーに当たり外れがある | 不採用時に紹介者との関係が悪化する可能性あり |
どの方法を選ぶにせよ、まずは第三者に相談をして客観的な意見を聞いてみることをおすすめします。
みんなはどうしてる?栄養士の退職・転職状況
栄養士の離職率に関して、明確なデータは現状存在しません。しかし栄養士は一般的に医療業界に分類されるため、医療業界の離職率が参考になります。
厚生労働省の調査結果では、医療業界の離職率は14.2%です。
人間関係の悩みやサービス残業が多く、想像よりも肉体的・精神的に辛いことが一因だと考えられます。あなた以外にも辛い職場を経験し、他の業界・職業へ転職する方が多いようです。
仕事を辞めた人、転職した人の体験談
20代の方の体験談①
なぜその職業に転職したのか
管理栄養士の資格を取得を目指していましたが、その職場でできることに限界があったため退職しました。
転職してよかったこと
視野が広がったことです。転職先が一般企業だったこともあり、社会人としての基本的いろはを学ぶことができました。
転職して後悔したこと
年収が下がったことです。年収交渉をもう少しすればよかったと思います。ライフワークバランスは良くなったので、現状には満足しています。
20代の方の体験談②
なぜその職業に転職したのか
非常勤でお給料が少なかったからです。定時で帰れましたが、手取り12万程度での1人暮らしは生活が苦しかったです。
転職してよかったこと
給料が上がり生活の質が上がったことです。収入が増えたおかげで、プライベートの時間をを楽しむ余裕ができました。
転職して後悔したこと
人間関係です。大学という社会の中で、派閥等があり、パワハラも当たり前のような環境でした。
30代の方の体験談①
なぜその職業に転職したのか
管理栄養士になりたくて管理栄養士として就職したのに、今後管理栄養士として働くことはないと言われたからです。
転職してよかったこと
管理栄養士の資格を活かして、健康食品の開発に携われることです。実際に手掛けた商品が販売され、テレビCMなどで機能性表示食品として宣伝されているのをみると嬉しくなります。
転職して後悔したこと
年収が下がったことです。ベンチャー企業のため福利厚生が何もなく、退職金制度などもないので長く務めるには不安があります。
30代の方の体験談②
なぜその職業に転職したのか
長時間労働に疲れ果てたからです。12時間〜14時間労働するのが普通でした。患者相手の健康教室もしていたので、資料作りのために休日も仕事でした。
転職してよかったこと
緩急のある生活を送れるようになったことです。業務量が適切な職場に転職したので、残業がなく、帰宅後のリラックス、休日に旅行にも行けます。
転職して後悔したこと
仕事に対するプライドがなくなったことです。転職前は学生時代から憧れていた職場で、人に自慢したくなるほどでした。しかし今は、人に自慢したいと思いません。
40代の方の体験談①
なぜその職業に転職したのか
最高の栄養バランスで計画し、食事を提供しても、完食率が低かったからです。毎日残念な思いを抱いていました。
転職してよかったこと
悩みであった利用者の完食率に改善が見られたことです。現在の栄養士に相談して、塩分や糖分の調整をし、食べること=生きることをモットーに取り組んでいます。
転職して後悔したこと
年収が下がったことです。栄養士は大学や短期大学にて学び資格を取得しますが、調理師は経験年数と試験で取得できるため社会的価値とグレードに差があります。
40代の方の体験談②
なぜその職業に転職したのか
非常勤で金銭面の問題があったからです。残業が増え、残業代を時間休で消化しなければ協定違反になるほどでした。非常勤でも求められるレベルは高く、精神的な負担も増えてきたので退職しました。
転職してよかったこと
残業がないことです。時給での勤務ですが、残業を強要されないので退勤に引け目を感じることがなくなりました。
転職して後悔したこと
年収が下がったことです。勤務時間が短くなったので収入が減りました。残業や交通費も前よりも減ったので少し不足しています。
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