この記事はルールに縛られて自由に活動できないことや、医師とのコミュニケーションに悩んでいる消防士向けに辛い職場環境の改善方法をまとめています。今の職場に残るべきか、転職を検討するべきかが判断できるようになります。
監修者 | 経歴 |
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豊島 | 株式会社パーソナルナビ メディア事業部。 キャリアアップメディア『THE CAREER』 のインタビュアー兼ライター。 四年制大学の教育学部を卒業後、 都内公立小学校に勤務。 退職後は教育者の経験を活かし、 20代~30代を中心にキャリアアップ支援事業を行う現職に就く。 |
消防士を「辞めたい」「辛い」と感じる理由ランキング
独自で行ったアンケートを基に、消防士の業務を行う中で、辞めたい・辛いと感じる理由をまとめました。
理由1位:イメージと違う現実
子どもたちから「正義のヒーロー」のように憧れられることの多い消防士ですが、実際の業務は火事から人を守るだけではありません。
出動に備えて日々訓練をすることはもちろん、意外と事務作業や書類作成も多く存在します。
「町の人を助ける職業に就きたい!」と考えて消防士を選んだ場合、自分が思い描いていた職とのギャップにやりがいを削られてしまうようです。
元消防士の声
子どもの頃からの夢を実現して、消防士になりました。しかし、実際には地味な作業も多く、何のために消防士になったのか分からなくなりました。
自分が所属する署は繁華街に近かったため、救急要請があっても急性アルコール中毒や喧嘩による暴行などが多かったです。想像と違いました。
理由2位:厳しい訓練・当直
様々な状況を想定した訓練が連日行われます。体力増強の訓練もあるため、他の職業に比べ身体的負荷はかなり高いと言えます。
また、勤務体系もサラリーマンのような9時〜17時の定時勤務は難しく、当直が伴う不規則な就業時間が繰り返されます。
身体的疲労は蓄積される上、体内リズムの崩れやすさも加わり、心身の不調につながるケースも少なくありません。
元消防士の声
入植してみると、同期に優れたフィジカルを持つ人が多くいました。同期に訓練で負けないように、というプレッシャーも重なり辛かったです。
20代の頃は体力にも自信があり、消防士の訓練も当直も嫌ではありませんでした。ただ、年齢とともに負荷を感じるようになりました。
理由3位:時代に合わない風習
年功序列や体育会系のルールなど、令和の時代にそぐわない風習が残っていることが多いようです。
特に年功序列に関しては、間違っていることを間違っていると言えない、など正義感がある人ほど辛いと感じる場面が増えます。
職場によっては、パワハラとも取れる体育会系の雰囲気が根強く残っていることも少なくありません。
元消防士の声
入植先では、上司からのいじめがありました。中立的な立場を保っていると、いつの間にか自分がターゲットになっていました。
時代遅れの考え方に納得できませんでした。若手にばかり、負担の大きな業務が回ってくるにも関わらず、手当は最小限。収入に結びつきません。
仕事のストレスを解消して、辛い気持ちを抑える方法
消防士を辞めた方10名へのアンケートを参考に、辞めたいと感じる理由に対する対処法をまとめました。
Q. 現実と上手く向き合うには?
A. 地味な作業の意味を考える。
外から見えている職業のイメージと実際の業務内容との間にギャップが生じるのは、消防士に限ったことではありません。
苦手意識のある業務は、業務の意義を再度考え直してみましょう。一見地味に感じる作業も、重要な役割を担っていることが多くあります。
「何のために必要な業務なのか」を理解することで、自ずとやる気も出てくるでしょう。
A. 無駄な作業を見直す。
業務の意義を見直すことで、業務の中に「無駄な作業」に見つけられる場合があります。無駄な作業をそのまま続けることは、仕事へのモチベーション低下にもつながります。
作業の効率化ツールが適用できないかなど、独自に検討し、上司に業務内容の改良を提案してみましょう。
Q. 心身の負担を減らすには?
A. 生活習慣の改善を心がける。
消防士のハードな訓練と勤務には、丈夫な身体の基礎を作っておく必要があります。そのためにも、食・睡眠などの要素は日頃から整えておきましょう。
栄養バランスの取れた食事、上質な睡眠を毎日6時間とる、飲酒・喫煙は控える、小さな変化でも毎日の継続で、訓練の疲労が溜まりにくくなります。
Q. 体育会系の風習に適応するには?
A. 上司の性格を把握する。
職場の昇進や人間関係において、上司からの評価は最も重要な項目です。直属の上司の性格や傾向を観察し、どのようにコミュニケーションで親しくなれるのかを分析しましょう。
年功序列など、努力しても変えられない状況ではなく、自分の工夫で変えられる人間関係などを意識して過ごすことが重要です。
「間違っている」と上司に指摘することは難しくても、その人に合った角の立たない伝え方を見つけることで、自分の不満も我慢せずに上手く解消できます。
A. パワハラの証拠をとる。
「体育会系の雰囲気」と「パワハラ」は別物です。しっかりと線引きを行い、少しでも職場でのハラスメントを感じたら、証拠を残すように対応しましょう。
録音・録画やハラスメントを受けた日記などを準備し、信頼できる上司に相談しましょう。それでも状況が改善されない場合は、転職も視野に入れて活動することをおすすめします。
どうしても辞めたい・辛い気持ちが消せない場合は
自分がやりたいことを洗い出してみる
やりたいことが明確でないと、今後も同じ不満を抱えてしまう可能性があります。自身の目指すキャリアを明確にし、やりたい方向に向かっているのか、自己分析しましょう。
自己分析が1人でできない・うまく行かない場合は、「i3 アカデミー」のキャリアカウンセリングがおすすめです。プロ講師による有料級のカウンセリングが、無料で受けられます。あなたのお悩みにあった解決方法が必ず見つかるはず!
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もし仕事を辞めて、転職するならどうしたらいい?
まずは職種を変えるか検討しましょう。決める基準としては年齢が大きく関わってきます。
20代であれば、興味のある業界に飛び込んでも問題ありません。30代以降であれば、これまでの経験を活かせる職種の中で検討がおすすめです。
経験を活かせる次の職種
ジムのトレーナー
厳しい訓練で鍛えられたフィジカルは、トレーナーとしてジムに通う方のサポートに活かせます。業界は異なりますが、自分の働きが誰かの結果として形に現れやすく、やりがいを感じやすい職です。
営業職
訓練や当直などの身体的負担に悩んでいる方におすすめの転職先です。営業職は必要な資格がない場合が多く、礼儀とコミュニケーション力の基盤があれば成長できます。
どこで仕事を探すのがいいの?
仕事を探す方法は大きく3つの方法があります。
種類 | 転職サイト | 転職エージェント | 人からの紹介 |
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特徴 | サイトに掲載された求人から選び、自分で応募 | キャリアアドバイザーのサポートを受けつつ転職先を探す | 知人や社員の紹介・推薦により選考が始まる |
メリット | 好きなタイミングで、行きたい企業に応募可能 | 転職先調査などを代行してもらうため、手間がかからない | 書類選考が免除される場合がある |
デメリット | 求人に応募が殺到し、反応がないことがある | アドバイザーに当たり外れがある | 不採用時に紹介者との関係が悪化する可能性あり |
どの方法を選ぶにせよ、まずは第三者に相談をして客観的な意見を聞いてみることをおすすめします。
みんなはどうしてる?消防士の退職・転職状況
消防士の離職率に関して、明確なデータは現状存在しません。しかし、総務省の「地方公務員の退職状況等調査」と現在の全国消防職員の数が参考になるでしょう。
総務省の令和2年の調査結果では、普通退職者は1,303人です。(※定年退職などを除く、自己都合による退職者等)
令和2年の全国消防職員は16万6628人のため、自己都合などによる離職率は約0.78%と予想されます。これは、上のグラフのどの業界と比べても低い値です。
地方公務員で福利厚生が整っている点や、勤続年数とともに順調に昇格しやすい体制などが、離職率が低い要因だと考えられます。
ただ、自治体によって職場環境の差が大きいため、署によっては離職率が高い場合もあるようです。
仕事を辞めた人、転職した人の体験談
20代の方の体験談①
なぜその職業に転職したのか
身体の負担と給与のバランスが取れていないと感じ、自分のスキルを磨いて年収を上げることができる分野に挑戦したいと考えました。
転職してよかったこと
当直も無くなり、生活リズムが整うようになりました。ライティングの題材として、さまざまな業界の知識も増え、マルチに活躍できる土台ができました。
転職して後悔したこと
フリーランスのため、福利厚生がありません。今は順調ですが、トラブルなどで収入がいつなくなるか分からない不安はあります。
20代の方の体験談②
なぜその職業に転職したのか
人の役に立ちたいと思い消防署に勤めていました。ただ、上司からのパワハラに悩んでいたため、別の職場でも社会貢献はできると思い転職しました。
転職してよかったこと
高齢者との関わりが多く、一時的な介助だけでなく中長期的に関われるので、やりがいを感じています。職場では、女性が多くパワハラもないため満足しています。
転職して後悔したこと
年収が下がってしまったことです。公務員だったので、ボーナスや昇給制度がしっかりしていました。資格をとって、手当を増やせるように頑張ります。
30代の方の体験談①
なぜその職業に転職したのか
小さい頃から憧れていた消防士ですが、なってみると理想とは違う点が多くありました。そのため、同じく興味のあった企画開発業を目指しました。
転職してよかったこと
消防士は業界が閉鎖的であることを、転職して実感しました。今は、他分野の企業とも連携しながら新しい企画を生み出すことができています。
転職して後悔したこと
特にありません。強いて言うなら、消防士時代に企画開発に役立つ勉強をある程度してから、転職すればよかったなと感じています。
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