この記事は組織内の力関係や単調になりがちな日々の作業で悩む大学職員向けに辛い職場環境の改善方法をまとめています。この記事を読むことで、今の職場に残るべきか、転職を検討するべきかが判断できるようになります。
監修者 | 経歴 |
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豊島 | 株式会社パーソナルナビ メディア事業部。 キャリアアップメディア『THE CAREER』 のインタビュアー兼ライター。 四年制大学の教育学部を卒業後、 都内公立小学校に勤務。 退職後は教育者の経験を活かし、 20代~30代を中心にキャリアアップ支援事業を行う現職に就く。 |
大学職員を「辞めたい」「辛い」と感じるランキング
独自で行ったアンケートを基に大学職員の業務を行う中で、辞めたい・辛いと感じる理由をまとめました。
理由1位:階級社会の風潮によるストレス
学長、教授、准教授、助手と大学内のあらゆる役職の方と関わることが多い大学職員。閉ざされた学内コミュニティのなかに残る階級社会や年功序列の風潮により、人間関係の精神的ストレスを抱える方も少なくありません。
教員陣と職員との間に壁があり、職員側から事務的な指摘がある場合も呑み込まなくてはいけない環境や教授の言うことは絶対といった暗黙のルールなど、職員が感じる格差は大きいようです。
元大学職員の声
の職員
大学教員や上層部は全て年配者でがほとんどで、当然自尊心も高い方が多いため教員との交渉には嫌気がさしました。
の職員
学長の顔色をうかがいながら、来客も通していいかどうかの判断をするような環境でした。今日は機嫌がいいかな?など毎日がプレッシャーでした。
理由2位: スキルアップが見込めない
学生をサポートする業務はやりがいは大きい一方で、業務内容は書類作成・各方面への申請処理やデータ管理などルーチンワークがほとんどです。
一つの作業を完了するにも複数の上司や教授・学長の確認を要するケースも多く、受け身になりがちな職場体制から自身の将来に不安を感じる方も多いようです。
元大学職員の声
大学の職員
自分が行っている仕事に主体性が見いだせず、誰でも出来る仕事のように思い始めました。自分に自信が持てなくなっていました。
大学の職員
単調な週5日勤務に疲れ切ってしまったことと、学校職員ではあるものの教育に従事している感覚が薄く、教育学部出身である私にとっては不満な部分がありました。
理由3位:業務量が多く疲労感が大きい
ルーチンワークが多いとはいえ、扱う書類の内容は公文書にも似た効果を持っていることが多いため責任が重い職種といえます。また学内・学外各方面への対応など業務内容は多岐にわたります。
業務量も多く、それぞれに二重・三重のチェックが求められるため精神的疲労は大きいと言えます。
元大学職員の声
の職員
私立大学勤務だったため土曜日も出勤のことが多々あり、週休一日の時は疲れがなかなか抜けなかったです。
の職員
裁量労働制という体制になっており、時間外や休日に業務を行っても残業代などが出ない仕組みでした。時間外の会議などが多く心身ともに疲弊していました。
仕事のストレスを解消して、辛い気持ちを抑える方法
大学職員を辞めた方10名へのアンケートを参考に、辞めたいと感じる理由に対する対処法をまとめました。
Q. 学内上層部や教授陣との関係を良好に保つには?
A. 先輩のやり方を見て真似する。
コミュニケーションを上手に取れている先輩の方法を真似してみましょう。
自分の考えと合わない上司とも円滑に付き合えるよう、好みの話題を率先して話したりするスキルを身につけることができれば職場の雰囲気も良くなります。
A. 断る勇気を持つ。
教授や学長からの仕事を断ることは難しいですが、気の進まないことやスケジュール上難しいことは断る勇気も必要です。また教授は職業柄断られることが少ないため、自身の要求が相手の負担になっていることに気づけていない可能性があります。伝えてみたら意外と受け入れてもらえるケースもあるようです。
ただ「できません」と伝えるだけでなく、可能な期日や代替案を提示することで相手の理解を得られやすくなります。
Q. スキルに自信を持つためには?
A. 資格取得を目指す。
業務に活かせる資格や、自分の趣味や好きなことの中から取得できる資格を選んでみましょう。形として自分自身のスキルを明確にすることで日々の業務に自信が持てるようになります。
また資格取得により業務の幅が広がることもあります。ルーチンワークに加え、よりやりがいのある業務獲得のためにも有効的です。
A. 本や新聞、メディアを通じて知識量を増やす。
業界内の知識はもちろん、それ以外の知識についても積極的に取り入れましょう。知識な豊富な人には同僚や後輩からの信頼も集まります。自分のスキルの幅を広げることで、自身の適性や今後の展望が見えてきます。
もし大学職員としてのキャリアを続けることが難しい場合でも、身につけた知識・スキルは他業種で発揮できます。
Q. 業務量が多い状況を改善するには?
A. スケジュール管理を徹底する。
Excelや手帳を使いスケジュール表を作ってみましょう。1週間単位で自分のスケジュールを作成し、時間に対する意識を明確にすることで期日が可視化でき、日々のタスク・到達目標が分かりやすくなります。
どうしても辞めたい・辛い気持ちが消せない場合は
自分がやりたいことを洗い出してみる
やりたいことが明確でないと、今後も同じ不満を抱えてしまう可能性があります。自身の目指すキャリアを明確にし、やりたい方向に向かっているのか、自己分析しましょう。
自己分析が1人でできない・うまく行かない場合は、「i3 アカデミー」の無料自己診断がおすすめです。無料診断やキャリアプランナーの無料相談など、お悩みにあった解決方法が必ず見つかります。
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もし仕事を辞めて、転職するならどうしたらいい?
まずは職種を変えるか検討しましょう。決める基準としては年齢が大きく関わってきます。
20代であれば、興味のある業界に飛び込んでも問題ありません。30代以降であれば、これまでの経験を活かせる職種の中で検討がおすすめです。
経験を活かせる次の職種
秘書
学長や理事長のスケジューリングや議事録、理事会などの業務経験が秘書としても活かせます。地位が高く多忙な方々とやり取りしてきた実績からビジネスマナー等が役に立つでしょう。
事務職員
書類の整理や作成などの基本的なPCスキルを活かせます。細かい数字を扱ったり年間スケジュールの管理を行ったり、業務内容も似ている点が多くみられます。
どこで仕事を探すのがいいの?
どこで仕事を探すのがいいの?
仕事を探す方法は大きく3つの方法があります。
種類 | 転職サイト | 転職エージェント | 人からの紹介 |
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特徴 | サイトに掲載された求人から選び、自分で応募 | キャリアアドバイザーのサポートを受けつつ転職先を探す | 知人や社員の紹介・推薦により選考が始まる |
メリット | 好きなタイミングで、行きたい企業に応募可能 | 転職先調査などを代行してもらうため、手間がかからない | 書類選考が免除される場合がある |
デメリット | 求人に応募が殺到し、反応がないことがある | アドバイザーに当たり外れがある | 不採用時に紹介者との関係が悪化する可能性あり |
どの方法を選ぶにせよ、まずは第三者に相談をして客観的な意見を聞いてみることをおすすめします。
みんなはどうしてる?大学職員の退職・転職状況
大学職員の離職率に関して、明確なデータは現状存在しません。しかし、大学職員は教育・学習支援に分類されるため、教育・学習支援の離職率が参考になるでしょう。
厚生労働省の令和2年の調査結果では、教育・学習支援の離職率は15.6%です。
大学特有の上下関係や業務の責任が重く精神的にプレッシャーを感じやすい環境が離職の一因だと考えられます。あなた以外にも辛い職場を経験し、他の業界・職業へ転職する方が多いようです。
仕事を辞めた人、転職した人の体験談
20代の方の体験談①
なぜその職業に転職したのか
事務職員
前職では21時まで残業することも多々あり、朝も7時出勤の時もありました。通勤時間も考えると自分の資格試験(司法試験)の勉強時間を確保したかったため、法律関係の職場で転職を決めました。
転職してよかったこと
事務所全体で労働環境の改善を図っているため残業時間が劇的に減りました。基本的には定時には帰宅できるため、その分勉強に回すことができています。
転職して後悔したこと
年収が下がってしまいました。残業時間が減った分、残業手当がつかなくなったこととボーナスの額が減ったことが影響しています。
20代の方の体験談②
なぜその職業に転職したのか
の従業員
私立大学の事務をしていましたが、組織独特のルールや習慣、上下関係になじめず悩んでいました。人間関係に疲れてしまったため極力人と関わりたくないと考え農家へ転職しました。
転職してよかったこと
今は一人で作業しながらも、仲間とお互い協力する体制が整っています。休憩時間に進捗状況を確認しながら皆でひとつの目的に向かい仕事をしているので連帯感を味わえます。
転職して後悔したこと
自然相手の仕事なので天候によっては仕事をしたくても休まないといけないことがあります。また逆に収穫時は休めなかったりするので休みが不定期になりました。
30代の方の体験談①
なぜその職業に転職したのか
Webライター
組織に属して仕事をすることに、抵抗を感じたため転職しました。年齢的にも企業転職は諦め、ブログの運営経験を活かしてフリーランスのライターで生きることにしました。
転職してよかったこと
満員電車での通勤から朝が憂鬱でしたが、それがなくなりました。フリーランスは個人の裁量で仕事ができるため、毎日働いても苦になりません。
転職して後悔したこと
収入が不安定になっていしまいました。業務単価をあげていくつもりですが、仕事がいつなくなるか分かりません。複数のクライアントとの契約をしながらも、老後は不安です。
40代の方の体験談①
なぜその職業に転職したのか
チューター業務の実務経験があったことからコミュニケーション関連資格を取得し、講師としての道に転換しました。
転職してよかったこと
自分主体のスケジューリングをある程度決める事ができています。学校の講師であっても、過度でなければ年間の授業シフト調整ができるので助かっています。
転職して後悔したこと
大学事務職員の時に貰っていたボーナスは自営業者になったので勿論ありません。また税の勉強や確定申告の方法などお金に関する必要知識が増えました。
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