この記事は、生徒との関わりや職場での孤独感に悩む養護教諭向けに辛い職場環境の改善方法をまとめています。この記事を読むことで、今の職場に残るべきか、転職を検討するべきかが判断できるようになります。
監修者 | 経歴 |
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豊島 | 株式会社パーソナルナビ メディア事業部。 キャリアアップメディア『THE CAREER』 のインタビュアー兼ライター。 四年制大学の教育学部を卒業後、 都内公立小学校に勤務。 退職後は教育者の経験を活かし、 20代~30代を中心にキャリアアップ支援事業を行う現職に就く。 |
養護教諭を「辞めたい」「辛い」と感じるランキング
独自で行ったアンケートを基に養護教諭の業務を行う中で、辞めたい・辛いと感じる理由をまとめました。
理由1位:職場での孤独感
養護教諭も教科担当の教員と同じ「教師」ですが、保健室で過ごす時間が長いことや学校に配置される人数が1〜2人と少ないため、孤立してしまうことが多いようです。
また保健室利用に伴う生徒との関係に、他の教員からの理解を得られず働きずらさを感じる場合もあります。
元養護教諭の声
の養護教諭
養護教諭が専門的立場で主張しない場面と、他の教員と協調する場面のバランスを保つことが難しかったです。同僚の輪の中に入れる努力が必要でした。
の養護教諭
学校では一人職種であり、生徒と教員の板挟みになることが多くありました。保健室に対して理解のない職員の中では働きにくいと感じます。
理由2位:複雑な生徒との関わり
家庭の問題や同級生とのトラブルを抱えた生徒が保健室を利用することも多く、養護教諭は生徒たちの身体・精神的健康を注意深く観察する必要があります。
授業をサボりたくて保健室を利用する生徒もいるため判断は難しく、自分の生徒との関わりが正しかったのかと不安になることも少なくありません。
元養護教諭の声
の養護教諭
保健室によく来ると自分が甘いのだろうかと悩み、その生徒が来なくなっても対応を間違えただろうかと悩んでいました。
公立高校
の養護教諭
ヤンチャな生徒が多い学校でした。怪我で保健室に来ても、いじめや虐待などが原因ではないかの判断が難しく自信をなくしました。
理由3位:より専門性の高い職への興味
環境衛生への実態把握や疾病・精神障害に関する対応、生徒・児童の心身の健康への対応など、業務範囲は広く時間に追われる毎日です。
そのため、生徒との関わりや研修で学ぶ内容から、より専門的な領域でじっくり業務に携わりたいと考える人も多いようです。
元養護教諭の声
の養護教諭
不登校対応や被虐待児の対応、発達障害などの障害児の対応など、より狭義な専門性の高い分野に特化して従事していきたいと考えるようになりました。
の養護教諭
養護教諭として子供たちと関わるうちに、直接勉学を共にしたいと思うようになりました。どのような指導や支援がされているのか知りたいと考えました。
仕事のストレスを解消して、辛い気持ちを抑える方法
養護教諭を辞めた方10名へのアンケートを参考に、辞めたいと感じる理由に対する対処法をまとめました。
Q. 職場での孤独感を解消するには?
A. 積極的に他の教員と話す。
保健室にいる時間が長く、他の教員と関わる時間は限られています。昼休みの時間や朝礼の前、放課後など職員室にいる時間は積極的にコミュニケーションをとるように心がけましょう。
親しい同僚ができれば、自分の悩みも共有できるようになり孤独感から解放されやすくなります。
A. 保健室の役割を正しく理解してもらう。
教科担当の教員は、担任の役割や勉強や部活動が生徒に与える影響などに理解はあっても、保健室の役割まで考えたことがない人も多いようです。
全体会議のタイミングや朝礼などで、養護教諭の立場から話をすることで、生徒がより保健室利用がしやすい環境ができます。
Q. 生徒との関わりを円滑にするには?
A. 自分が学生だった頃の気持ちを考える。
専門的な知識を活かして生徒の身体的・精神的健康を観察しようとするため、時には生徒の気持ちを見落とすことも少なくありません。
「自分だったら」と過去の経験則を活かしながら生徒と会話することで、違った側面を観察する手がかりになります。肩の力を抜いて生徒と向き合ってみましょう。
A. 他校の養護教諭と連携する。
学校によっては養護教諭の配置が1人のみの場合も多く、問題解決が難しいこともあります。そのような場合は、他の養護教諭の見解を取り入れてみることが重要です。
そのためにも、研修には積極的に参加し相談できる相手を見つけましょう。
Q. やりがいを感じなくなったら?
A. 自分の興味をまとめてみる。
より専門的な領域に携わりたいという転職希望はポジティブなものなので、無理に気持ちを抑える必要はありません。ただし、今後のキャリア形成と自分の求めている将来像を明確にすることは重要です。
転職を成功させるためにも、自分が携わりたい業界の分析や興味の方向性をまとめて自己理解を高めることをおすすめします。
A. 養護教諭を目指した動機を振り返る。
ネガティブな原因でやりがいを失ってしまった場合は、原点回帰して自分が養護教諭になった理由を考えてみましょう。また、やりがいを感じるポイントを書き出すことで、ポジティブな気持ちに切り替えることができるかもしれません。
どうしても辞めたい・辛い気持ちが消せない場合は
自分がやりたいことを洗い出してみる
やりたいことが明確でないと、今後も同じ不満を抱えてしまう可能性があります。自身の目指すキャリアを明確にし、やりたい方向に向かっているのか、自己分析しましょう。
自己分析が1人でできない・うまく行かない場合は、「i3 アカデミー」の無料自己診断がおすすめです。無料診断やキャリアプランナーの無料相談など、お悩みにあった解決方法が必ず見つかります。
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もし仕事を辞めて、転職するならどうしたらいい?
まずは職種を変えるか検討しましょう。決める基準としては年齢が大きく関わってきます。
20代であれば、興味のある業界に飛び込んでも問題ありません。30代以降であれば、これまでの経験を活かせる職種の中で検討がおすすめです。
経験を活かせる次の職種
療育施設の児童指導員
生徒との関わりを活かして、より狭義的な領域で児童を支えることができる職業です。社会貢献や問題を抱える子どもたちへの介入に興味のある方にオススメです。
人間ドックの事務職員
学校の健康診断に携わった経験を活かして、より医学的な現場に移行できる転職先です。事務作業に集中できるため、保護者との関わりや職員同士の人間関係から解放されます。
どこで仕事を探すのがいいの?
仕事を探す方法は大きく3つの方法があります。
種類 | 転職サイト | 転職エージェント | 人からの紹介 |
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特徴 | サイトに掲載された求人から選び、自分で応募 | キャリアアドバイザーのサポートを受けつつ転職先を探す | 知人や社員の紹介・推薦により選考が始まる |
メリット | 好きなタイミングで、行きたい企業に応募可能 | 転職先調査などを代行してもらうため、手間がかからない | 書類選考が免除される場合がある |
デメリット | 求人に応募が殺到し、反応がないことがある | アドバイザーに当たり外れがある | 不採用時に紹介者との関係が悪化する可能性あり |
どの方法を選ぶにせよ、まずは第三者に相談をして客観的な意見を聞いてみることをおすすめします。
みんなはどうしてる?養護教諭の退職・転職状況
養護教諭の離職率に関して、明確なデータは現状存在しません。しかし、養護教諭は教育、学習支援業に分類されるため、教育、学習支援業の離職率が参考になるでしょう。
厚生労働省の令和2年の調査結果では、教育、学習支援業の離職率は15.6%です。
生徒との関わりに悩むことや職場で孤独を感じることが一因だと考えられます。あなた以外にも辛い職場を経験し、他の業界・職業へ転職する方が多いようです。
仕事を辞めた人、転職した人の体験談
20代の方の体験談①
なぜその職業に転職したのか
の養護教諭
子どもたちと関わるうちに、自分も教壇に立ちたいと考えるようになりました。
転職してよかったこと
保健室から見える生徒の側面と教室での様子は全く違います。より生徒たちのことを理解できる場所で、働くことができているように感じています。
転職して後悔したこと
以前より業務量が増えました。授業の準備や保護者対応など、持ち帰る業務が増えてプライベートな時間が減りました。
20代の方の体験談②
なぜその職業に転職したのか
の養護教諭
一つの場所に特化するよりも、分野を横断して様々な視点から物事を考えられるようになりたいと考えているため転職を決めました。
転職してよかったこと
日々吸収する内容が多く、周りから良い刺激を得られています。分野が違うため、勉強する内容も多くやりがいを感じています。
転職して後悔したこと
残業や休日出勤が増えました。テレワークの日も、気づいたら業務時間外で作業していることもあります。
30代の方の体験談①
なぜその職業に転職したのか
の養護教諭
前職の配属先は家から遠い学校でした。自分の子どもの習い事や受験の準備との両立のため、家から近い転職先を探しました。
転職してよかったこと
思春期の中学生は関わるのが難しかったです。それに比べ高齢者は、複雑なコミュニケーションは少ないためストレスが減りました。
転職して後悔したこと
年収が以前より減ってしまいました。その分家族の時間は確保できましたが、別の介護施設も探してみようかと思います。
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