この記事は多忙で休みがないことや給与水準が低くて悩む医者向けに辛い職場環境の改善方法をまとめています。今の職場に残るべきか、転職を検討するべきかが判断できるようになります。
監修者 | 経歴 |
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豊島 | 株式会社パーソナルナビ メディア事業部。 キャリアアップメディア『THE CAREER』 のインタビュアー兼ライター。 四年制大学の教育学部を卒業後、 都内公立小学校に勤務。 退職後は教育者の経験を活かし、 20代~30代を中心にキャリアアップ支援事業を行う現職に就く。 |
医者を「辞めたい」「辛い」と感じる理由ランキング
独自で行ったアンケートを基に、医者の業務を行う中で、辞めたい・辛いと感じる理由をまとめました。
理由1位:激務で休みが取れない
患者への対応を24時間求められるため、残業や徹夜は日常茶飯事です。多くの入院患者を抱えている場合は、休日出勤も当たり前になります。
オペや診察などの業務も多岐に渡り、休む暇がありません。病院によりますが、有給が認められないケースもあります。
元医者の声
オペが立て続けにあり、家に3日帰らず当直室で寝泊まりした時期がありました。
患者の容態が急変したらすぐ病院に駆け付けなければいけません。365日24時間電話がかかってくるので、気の休まる時間がありませんでした。
理由2位:勤務時間の割に給与が低い
医者は高収入のイメージが強いですが、「長時間労働の割には給与が低い」と感じる方が多くいらっしゃいます。
病院の規模に応じて給料水準が大きく変わり、大きな病院にいけば高給も見込めますが、その分責任や仕事量が重くのしかかります。
元医者の声
大学病院からの給与が驚くほど少なく、他でバイトをしなければ十分な生活費が確保できませんでした。
勤続年数が増えても給与は変わりませんでした。ボーナスもなく、給与は歯科衛生士よりも少なかったです。
理由3位:人間関係が複雑
医師の現場は年功序列制で、上下関係の厳しいケースが多く、上司との関係性に苦労する人がいます。
また医局内での派閥争いや、看護師や事務スタッフとのコミュニケーションなども必要で、人間関係の問題が複雑です。
元医者の声
理事長が古い働き方に固執しており、若手にも長時間労働を求めてきました。
同僚でありながらライバルでもあるため、なかなか腹を割った話ができませんでした。
仕事のストレスを解消して、辛い気持ちを抑える方法
医者を辞めた方10名へのアンケートを参考に、辞めたいと感じる理由に対する対処法をまとめました。
Q. 激務を改善するためには?
A. 「非常勤」「スポット勤務」にする
医師の働き方には、常勤の他に「非常勤」「スポット勤務」があります。どちらも自分の都合に合わせて、勤務日数を週1〜3日などに調整できます。
ただし、常勤と違って病院の福利厚生は受けられず、確定申告などを自分で行う必要がある点については理解しておきましょう。
A. 休みの取りやすい医者に転職する
激務の原因は多岐に渡るため、転職や異動をきっかけに働く環境を変えてしまう方が解決が早いケースが多いです。
例えば、一般企業の社員の健康管理を行う「産業医」は、企業が土日休みであれば、土日に休みを取ることが可能です。
Q. 給与水準を上げるためには?
A. 医師のアルバイトをする
常勤とは別に、隙間時間を使って医師のアルバイトをするのがおすすめです。1日単発の夜勤で5万円〜といった仕事も多く、常勤の給与を補うことができます。
Q. 人間関係を改善するには?
A. 業務に関係ない会話を増やす
医療現場は気が張り詰めやすい分、休憩時間には業務外の話をしたい方も多くいます。趣味などの仕事に関係のない話をすることで、普段の会話もスムーズになり、良好な関係を築けます。
A. あえて積極的に人に話しかける
意図的に話す回数を増やしましょう。人間は接触回数の多い相手に好感を抱きやすいです。通常より1回でも会話を増やすことで、話しやすい雰囲気が醸成されます。
どうしても辞めたい・辛い気持ちが消せない場合は
自分がやりたいことを洗い出してみる
やりたいことが明確でないと、今後も同じ不満を抱えてしまう可能性があります。自身の目指すキャリアを明確にし、やりたい方向に向かっているのか、自己分析しましょう。
自己分析が1人でできない・うまく行かない場合は、「i3 アカデミー」の無料自己診断がおすすめです。無料診断やキャリアプランナーの無料相談など、お悩みにあった解決方法が必ず見つかります。
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もし仕事を辞めて、転職するならどうしたらいい?
まずは職種を変えるか検討しましょう。決める基準としては年齢が大きく関わってきます。
20代であれば、興味のある業界に飛び込んでも問題ありません。30代以降であれば、これまでの経験を活かせる職種の中で検討がおすすめです。
経験を活かせる次の職種
病院経営コンサルタント
病院経営のコンサルタントは、医療に関する知識と医師としての経験を十分に活かせます。
研究者
医学的なバックグラウンドを活かして、臨床問題点をテーマにした研究ができます。
どこで仕事を探すのがいいの?
仕事を探す方法は大きく3つの方法があります。
種類 | 転職サイト | 転職エージェント | 人からの紹介 |
---|---|---|---|
特徴 | サイトに掲載された求人から選び、自分で応募 | キャリアアドバイザーのサポートを受けつつ転職先を探す | 知人や社員の紹介・推薦により選考が始まる |
メリット | 好きなタイミングで、行きたい企業に応募可能 | 転職先調査などを代行してもらうため、手間がかからない | 書類選考が免除される場合がある |
デメリット | 求人に応募が殺到し、反応がないことがある | アドバイザーに当たり外れがある | 不採用時に紹介者との関係が悪化する可能性あり |
どの方法を選ぶにせよ、まずは第三者に相談をして客観的な意見を聞いてみることをおすすめします。
みんなはどうしてる?医者の退職・転職状況
医者の離職率に関して、明確なデータは現状存在しません。しかし、医者は一般的に医療業界に分類されるため、医療業界の離職率が参考になるでしょう。
厚生労働省の令和2年の調査結果では、医療・福祉業界の離職率は14.2%です。
他の職種に比べ、長時間労働でプライベートな時間も取れないことから、想像よりも肉体的・精神的に辛いことが一因だと考えられます。あなた以外にも辛い職場を経験し、他の業界・職業へ転職する方が多いようです。
仕事を辞めた人、転職した人の体験談
20代・新卒の方の体験談①
なぜその職業に転職したのか
総合内科医時代は、よくある疾患を診ていましたが、逆に肺がんなどの専門性の高い病気を診る機会はありませんでした。武器として一つの専門性を手に入れたく、転職を決意しました。
転職してよかったこと
ほかの医師との差別化ができました。今後は医師もランク付けが行われ、それにより報酬が異なるなど、実力主義になっていくと思います。
転職して後悔したこと
前職では、同僚の向上心が非常に高く、自分もそれに刺激されて成長できたように思います。現在では皆さんいい方ばかりですが、その点において少し物足りないように思います。
20代・新卒の方の体験談②
なぜその職業に転職したのか
有給という概念がないブラック企業だったからです。2年目3年目になっても1年目の給与と変わらず、責任だけが重くなっていきました。院長も休みが少なく、それと同じように少しずつ休みも減らされました。
転職してよかったこと
気持ちが楽になり、給与も増えたことです。今まで低賃金でしたが、給与が上がり、必要な器具も自分で調達できるようになりました。
転職して後悔したこと
通勤時間が伸びたことです。前の職場に近い場所に家を借りていたので、場所により通勤時間がかかってしまいます。
30代の方の体験談①
なぜその職業に転職したのか
家族との時間、プライベートの時間を確保するために退職しました。平日は残業、土日には当直勤務があり、休みのない日々が続くのが辛かったです。
転職してよかったこと
プライベートの時間が増えたことです。普段の退勤時間も早まり、毎週日曜にも仕事が入らないため、家族皆が喜んでくれます。
転職して後悔したこと
医学の知識がアップデートされにくくなったことです。前職は大学病院で、同僚との会話の中でも最新医学情報が入ってくる状態でした。
30代の方の体験談②
なぜその職業に転職したのか
家庭と仕事を両立するためです。大学病院は日勤でも夜遅くまで勤務し、夜勤明けでも昼までいることが当たり前でした。
転職してよかったこと
開業したことで仕事と家庭のメリハリがつき、家族が円満になり会話も増えました。また、今は仕事相手を選べるため、派閥争いなどはなく、人間関係のストレスもありません。
転職して後悔したこと
社会情勢によって年収が左右されることです。コロナによって人の流れが停滞してしまい、かなりの赤字になりました。
40代の方の体験談①
なぜその職業に転職したのか
労働環境が劣悪だったためです。三次救急の当直をしても休む時間はなく、次の日も勤務。給与も安くモチベーションを保てませんでした。
転職してよかったこと
自分の時間が持てるようになったことです。しばらくできていなかったゴルフや釣りなどを楽しむ時間ができました。 給料も十分な額になり、精神的な余裕もあります。
転職して後悔したこと
ハードワークができなくなったことです。ホワイトな環境に慣れてしまい、忙しい環境で働くことへのハードルが高くなってしまいました。
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