助産師を辞めたい、辛いときのストレス解消法|辞めるか続けるべきかの判断基準を解説

この記事はシフト制や夜勤ありの勤務形態やハイリスク出産への対応の責任感で悩む助産師向けに辛い職場環境の改善方法をまとめています。この記事を読むことで、今の職場に残るべきか、転職を検討するべきかが判断できるようになります。

監修者経歴
豊島
豊島
株式会社パーソナルナビ メディア事業部。
キャリアアップメディア『THE CAREER』
のインタビュアー兼ライター。
四年制大学の教育学部を卒業後、
都内公立小学校に勤務。
退職後は教育者の経験を活かし、

20代~30代を中心にキャリアアップ支援事業を行う現職に就く。

助産師を「辞めたい」「辛い」と感じるランキング

独自で行ったアンケートを基に助産師の業務を行う中で、辞めたい・辛いと感じる理由をまとめました。

理由1位:母子の命を預かるプレッシャーが大きい

入院を伴う出産の場合、多胎妊娠・ハイリスク出産であることがほとんどのため、母体・胎児に常に気を配りながら看護を行う必要があります。勤務中の緊張感から精神的に追い詰められる方も多いようです。

元助産師の声

30代 大学病院<br>の助産師
30代 大学病院
の助産師

患者は数百グラムの赤ちゃん達。少しでも触ればすぐに状態が変化し、アラームが鳴ります。 オムツを変えるだけでも手が震えるくらいのプレッシャーでした。

20代 大学病院<br>の助産師
20代 大学病院
の助産師

ある程度の勤務年数になると、より複雑な合併妊娠を担当するため、勉強にもかなり時間を要しました。ミスが許されないプレッシャーはすごかったです。

理由2位: 勤務時間が不規則になりやすい

夜勤を伴うシフト制の勤務形態が主流のため、生活リズムが崩れやすくプライベートの予定を立てづらいことに悩む方が多いようです。

また夜勤帯には夜勤者の他に非番の待機番がある病院もあります。待機番の際は、呼び出しがない限り勤務とはみなされない場合がほとんどです。待機しているだけでもかなりストレスで、ずっと仕事をしていた感覚になります。

元助産師の声

育休復帰後も夜勤必須の職場だったため、育児との両立が辛かったです。院内保育もないため母親世代には厳しい環境でした。

総合病院での勤務時は、とても忙しく身体的にも精神的にも疲れていました。前残業も勤務後の残業もあるのが通常で、プライベートの時間を取れませんでした。

理由3位:業務量が多く理想の看護ができない

看護師資格に加え助産師資格を必要とする職業柄、助産に関する志を高く持っている方がほとんどです。そのため業務量の多さがゆえに、周産期のケアが思い通りに実施できない場合にやるせなさを感じてしまうようです。

元助産師の声

忙し過ぎて、自分のやりたい看護が出来ませんでした。日々の業務に追われて一日が終わってしまうため、何のために助産師として働いているのか疑問を感じるようになりました。

患者の身体の安全の確保が最優先されるため、産後ケアが充分にできませんでした。産後の乳房ケアなどに時間を充分にとることができず、やりがいを感じなくなりました。

仕事のストレスを解消して、辛い気持ちを抑える方法

助産師を辞めた方10名へのアンケートを参考に、辞めたいと感じる理由に対する対処法をまとめました。

Q. 命を預かるプレッシャーを解消するには?

A. 先輩に相談する

先輩助産師も同じような悩みを経験してきたはずです。新人助産師の場合は、プリセプター制度を活用しプリセプターにアドバイスをもらいましょう。

無理をせず自分のペースで成長をしていけるように教育担当の先輩とのコミュニケーションを心がけることが大切です。

Q. 不規則な勤務時間の中でストレスを解消するには?

A. 夜勤前は十分な睡眠時間を確保する。

寝不足だと頭が回らず業務効率が落ちてしまい、夜休憩も必然的に短くなってしまいます。業務時間外の作業を減らすためにも、夜勤前は体調を整えておきましょう。

A. 師長に勤務形態の改善を求める。

子育てや家庭の事情を話し、時短勤務などの対策を交渉しましょう。残業が慢性化している場合、同じ悩みを抱えている同僚がいる可能性も高いため、複数人で声を上げることも効果的です。

シフトの相談によっては、夜勤専門の助産師を増員してもらうなどの措置につながる可能性があります。一方で、勤務時間・勤務形態の改善が見込めない場合、別の職場への転職を視野に入れた方が良いでしょう。

Q. 理想的なケアを提供するには?

A. 研修会や勉強会に参加する

マルチタスクの中で、個別性の看護ケアが求められます。特に相手は周産期の妊婦や新生児と、ちょっとしたことが容態変化へと繋がるため、高い観察力とアセスメント能力が求められます。

研修会・勉強会へ積極的に参加することで、アップデートされた最新看護情報が身につきます。向上心のある仲間との交流の中で、日々の業務の中で自分の理想のケアに近づけるためのコツを見つけられるかもしれません。

A. 妊産婦教育教材を活用する。

産後ケアに入る前の教育、集団指導の充実は重要ですが、すべて助産師が担うとなると負担が大きくなります。教材として動画などデジタル化されているものが利用できるため、直接指導に入れなくても患者に合った動画を見てもらうことで指導時間を短くできるようにするなどの工夫が大切です。

どうしても辞めたい・辛い気持ちが消せない場合は

自分がやりたいことを洗い出してみる

やりたいことが明確でないと、今後も同じ不満を抱えてしまう可能性があります。自身の目指すキャリアを明確にし、やりたい方向に向かっているのか、自己分析しましょう。

自己分析が1人でできない・うまく行かない場合は、「i3 アカデミー」の無料自己診断がおすすめです。無料診断やキャリアプランナーの無料相談など、お悩みにあった解決方法が必ず見つかります。

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もし仕事を辞めて、転職するならどうしたらいい?

まずは職種を変えるか検討しましょう。決める基準としては年齢が大きく関わってきます

20代であれば、興味のある業界に飛び込んでも問題ありません。30代以降であれば、これまでの経験を活かせる職種の中で検討がおすすめです。

経験を活かせる次の職種

ヨガインストラクター

助産師は解剖生理などの専門知識を持つため、信頼されるセラピストになれます。 また妊婦や産後のママの施術もできるので、女性からの支持を見込めます。

子育て支援教室の講師

産後のママや赤ちゃんのことは得意分野のため、赤ちゃんの発達や発育・授乳については専門的に説明を交えながら母子に合わせた教室を開くことができます。

どこで仕事を探すのがいいの?

どこで仕事を探すのがいいの?

仕事を探す方法は大きく3つの方法があります。

種類転職サイト転職エージェント人からの紹介
特徴サイトに掲載された求人から選び、自分で応募キャリアアドバイザーのサポートを受けつつ転職先を探す知人や社員の紹介・推薦により選考が始まる
メリット好きなタイミングで、行きたい企業に応募可能転職先調査などを代行してもらうため、手間がかからない書類選考が免除される場合がある
デメリット求人に応募が殺到し、反応がないことがあるアドバイザーに当たり外れがある不採用時に紹介者との関係が悪化する可能性あり

どの方法を選ぶにせよ、まずは第三者に相談をして客観的な意見を聞いてみることをおすすめします。

みんなはどうしてる?助産師の退職・転職状況

厚生労働省「令和2年雇用動向」調査より引用

助産師の離職率に関して、明確なデータは現状存在しません。しかし、助産師は医療・福祉に分類されるため、医療・福祉の離職率が参考になるでしょう。

厚生労働省の令和2年の調査結果では、医療・福祉の離職率は14.2%です。

業務の責任が重く精神的にプレッシャーを感じやすい環境や、夜勤やシフト制勤務によりプライベートの時間を取りずらいことが離職の一因だと考えられます。あなた以外にも辛い職場を経験し、他の業界・職業へ転職する方が多いようです。

仕事を辞めた人、転職した人の体験談

20代の方の体験談①

転職先:医療メーカーの営業職

なぜその職業に転職したのか

医療メーカー<br>の営業
医療メーカー
の営業

助産師の職場は殆どが女性で人間関係に疲れて仕事を辞めたいと思い、転職を決断しました。また、医療職は精神的にきついと感じたので一般職を選びました。

転職してよかったこと

人間関係に悩むことが少なくなりました。現在の職場は男女比が半々のため、以前より人間関係が楽なように感じます。

転職して後悔したこと

資格が関係ない仕事のため、助産師資格所得のために費やした時間が無駄になった様に感じることがあります。

20代の方の体験談②

転職先:派遣の看護師

なぜその職業に転職したのか

派遣の看護師
派遣の看護師

総合病院での勤務時は身体的にも精神的にもとても疲れていました。プライベートの時間も大切にしたくて派遣の看護師になりました。

転職してよかったこと

自分のスケジュールに合わせて仕事が組めるので、プライベートも大事にできるようになりワークライフバランスが取れるようになりました。

転職して後悔したこと

前職の方が勤務時間が長かった分給与は今よりも良かったです。今は自由な働き方ができる分給与も低くなりました。

40代の方の体験談①

転職先:一般企業の経理職員

なぜその職業に転職したのか

一般企業の<br>経理職員
一般企業の
経理職員

お産と向き合うことが怖かったので、全く違う職業に身を置きたいと考えました。 もともと数字を扱うことが好きだったので、経理職に応募しました。

転職してよかったこと

現職では同じペースで仕事に向き合えています。助産師の業務では緊急時の対応が日常茶飯事だでしたが、今の仕事では心を荒らされることなく仕事ができています。

転職して後悔したこと

国家資格という自信に支えられて働いていましたが、現在は無資格で仕事のため専門性を発揮できないことに心もとなさを感じます。

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