この記事は激務による重なる疲労や資格取得のプレッシャーに悩む国家公務員向けに辛い職場環境の改善方法をまとめています。この記事を読むことで、今の職場に残るべきか、転職を検討するべきかが判断できるようになります。
監修者 | 経歴 |
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豊島 | 株式会社パーソナルナビ メディア事業部。 キャリアアップメディア『THE CAREER』 のインタビュアー兼ライター。 四年制大学の教育学部を卒業後、 都内公立小学校に勤務。 退職後は教育者の経験を活かし、 20代~30代を中心にキャリアアップ支援事業を行う現職に就く。 |
国家公務員を「辞めたい」「辛い」と感じるランキング
独自で行ったアンケートを基に国家公務員の業務を行う中で、辞めたい・辛いと感じる理由をまとめました。
理由1位:精神的に休まらない毎日
「業務量が多い」、「激務」という言葉で言い表すには足りないほど国家公務員の業務量は膨大です。公務員のイメージとして定時退社と勘違いされがちですが、多くの方が21時過ぎまでの残業・休日出勤の日々を繰り返しているようです。
単に業務量が多いのではなく、一つのミスで国民の生活に影響を与えたり、各省庁の予算確保に直結するなど責任が重くのしかかる日々にプレッシャーを感じる方も多くいます。
また職場には優秀な職員が多く所属しており、共に働く仲間ながら周りの能力の高さに自信を無くしてしまうなど悩みは尽きません。
元国家公務員の声
自分のミスが大事故につながりかねない緊張感が常に張り詰めてました。休みの日も次の日は仕事だという緊張が苦しく感じました。
本省にはいわゆるキャリア官僚など高学歴で優秀な職員がたくさんいました。詰めの甘さを指摘された際など、業務を深堀りすることができない自分に自己嫌悪を感じることが多々ありました。
理由2位:変化を嫌う慣習重視の組織体制
組織の規模が大きいため、細かいルールや慣習が存在しその遵守は必須とされます。体制の弊害として意見の出しずらさが挙げられ、自分の意見を伝えても上司に取り合ってもらえない等多くの経験談が寄せられました。
新しく何かを取り入れた場合、結果が悪ければ国民からのバッシングは避けられません。上層部はスキャンダルの発生を何よりも恐れているため、変化に敏感で新しいことに挑戦することを嫌います。前例がないことは認めない、トップダウンの組織体制に自主性を制限されているように感じる方も多いようです。
元国家公務員の声
お客様からもっともな意見を貰い、私自身も「そうだ」と感じて変えていこうとしても「昔からこうだから」と意見が通ることはほぼありませんでした。
の国家公務員
何をするにも前例に縛られており、改善しよう・新しくしてみようという雰囲気がありません。またそのことを話せるような風通しの良い職場環境ではなかったため息苦しかったです。
理由3位:資格取得のプレッシャーが大きい
各部署で専門的な領域を扱うことの多いため、国家公務員試験に合格し入職した後も資格の取得が必要になるケースが多くあります。日々の業務で多忙な中、資格取得の勉強時間も確保しなければならず身体的にも精神的にも負担に感じる人は多いようです。
また資格取得に向けて訓練を義務付けしている場合もあるため、「受かって当たり前」「資格必須」という環境がプレッシャーとして重くのしかかります。
元国家公務員の声
資格試験は合格率も高くはない上に、業務にあたる上で必須資格ということで受験者への精神的プレッシャーが大きかったです。
資格を取るために訓練を行う毎日でしたが、訓練生は戦力ではないため扱いが割と雑で、訓練体制についても人によってバラバラでかなり振り回されました。
仕事のストレスを解消して、辛い気持ちを抑える方法
国家公務員を辞めた方10名へのアンケートを参考に、辞めたいと感じる理由に対する対処法をまとめました。
Q. 忙しい日々の中で安らぎを得るには?
A. 仕事以外に目を向ける。
業務量が多く仕事でいっぱいいっぱいになりがちですが、せっかくの休日はしっかりと楽しみましょう。翌日の仕事のことばかり考えて憂鬱な休日を過ごすより、趣味に没頭して有意義な休日にすることができれば、自然とメリハリがつき仕事の効率が上がります。
A. 休憩時間に屋外に出る。
デスクワークで屋内に10時間以上こもって仕事をすることが多いため、リフレッシュできないまま業務の進度も悪化しやすくなります。昼休憩や残業の前に一度外に出て一息つく習慣をつけましょう。
短い時間であっても息抜きの時間を確保できれば、切り替えが上手くでき業務効率アップにつながります。仲の良い同僚や先輩を誘って外で談笑するのも良い気分転換になります。
Q. 自分の意見を伝えやすくするには?
A. 上司と積極的にコミュニケーションを取る。
トップダウンの体質は簡単に崩すことは難しいですが、自分が所属するチームや部署内の風通しを良くすることは可能です。まずは上司との良好な関係づくりを意識しましょう。
挨拶はもちろんのこと日常会話やプライベートな話をできる関係性を構築すれば、仕事に関する意見も受け入れてもらいやすくなります。関係構築に努めても状況が改善されない場合は、転職も視野に入れてみましょう。
Q. 資格取得のモチベーションを上げるには?
A. 資格取得後の自身のキャリアイメージを持つ。
職場から資格取得を義務化されている場合、「取らないといけないから取る」というネガティブな方向へ考えてしまいプレッシャーも一層感じやすくなります。資格取得後に自分がどのような役割に就けるのか、どうなりたいか等キャリアに対するイメージを確立することで、やる気の増大につながります。
資格取得を義務として捉えるのではなく、あくまでも自分が目指すゴールへの通過点として捉えることが重要です。主体性が伴うことでプレッシャーも軽減されやすくなります。
A. 同期と勉強する時間をつくる。
学生時代と違い、社会人になってからは何事も個人プレーになることが多い傾向にあります。特に国家公務員は多くの事務処理やデスクワークが主体で、仕事中も自分で黙々と作業にあたる時間が長くなります。
同じ資格取得を目指す仲間と一緒に勉強する時間を作ってみましょう。自分だけで黙々と参考書に向かうより、自分の勉強法を共有したり、お互いにクイズを出し合ったりすることで楽しみながら勉強に取り組むことができます。
どうしても辞めたい・辛い気持ちが消せない場合は
自分がやりたいことを洗い出してみる
やりたいことが明確でないと、今後も同じ不満を抱えてしまう可能性があります。自身の目指すキャリアを明確にし、やりたい方向に向かっているのか、自己分析しましょう。
自己分析が1人でできない・うまく行かない場合は、「i3 アカデミー」の無料自己診断がおすすめです。無料診断やキャリアプランナーの無料相談など、お悩みにあった解決方法が必ず見つかります。
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もし仕事を辞めて、転職するならどうしたらいい?
まずは職種を変えるか検討しましょう。決める基準としては年齢が大きく関わってきます。
20代であれば、興味のある業界に飛び込んでも問題ありません。30代以降であれば、これまでの経験を活かせる職種の中で検討がおすすめです。
経験を活かせる次の職種
企画・立案
日々発生する突発事案に短時間で精度の高い対応をこなしてきた経験があるため、組織内での新たなプロジェクトに役立てられます。また主体性や自分の意見を求められる部署のため、これまで自分の意見を言えずにいた悩みも解消しやすい転職先です。
事務職
細かい数字をミスなく迅速に扱うことを求められてきたため、前職で培った高い集中力を活かして一般事務の業務をこなすことができます。パソコン・電話対応・接客も経験があるため、馴染みやすい転職先です。
どこで仕事を探すのがいいの?
どこで仕事を探すのがいいの?
仕事を探す方法は大きく3つの方法があります。
種類 | 転職サイト | 転職エージェント | 人からの紹介 |
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特徴 | サイトに掲載された求人から選び、自分で応募 | キャリアアドバイザーのサポートを受けつつ転職先を探す | 知人や社員の紹介・推薦により選考が始まる |
メリット | 好きなタイミングで、行きたい企業に応募可能 | 転職先調査などを代行してもらうため、手間がかからない | 書類選考が免除される場合がある |
デメリット | 求人に応募が殺到し、反応がないことがある | アドバイザーに当たり外れがある | 不採用時に紹介者との関係が悪化する可能性あり |
どの方法を選ぶにせよ、まずは第三者に相談をして客観的な意見を聞いてみることをおすすめします。
みんなはどうしてる?国家公務員の退職・転職状況
国家公務員の離職率に関して、明確なデータは現状存在しません。しかし、国家公務員は学術研究、専門・技術サービス業に分類されるため、学術研究、専門・技術サービス業の離職率が参考になるでしょう。
厚生労働省の令和2年の調査結果では、学術研究、専門・技術サービス業の離職率は10.3%です。
職務における責任が重いことや自分の意見を主張できない職場環境が一因だと考えられます。あなた以外にも辛い職場を経験し、他の業界・職業へ転職する方が多いようです。
仕事を辞めた人、転職した人の体験談
20代の方の体験談①
なぜその職業に転職したのか
の窓口業務
勤務が日勤、夜勤、明け、休みのサイクルで、空港勤務の国家公務員ということもあり常に何かが起こるかもしれないという緊張感がずっとありました。旅行に関係する職を続けたかったので現職を選びました。
転職してよかったこと
夜勤がなくなったことで昼夜逆転などの不健康な生活がなくなり、健康の維持ができています。また緊張感から解放され、心にもゆとりができたので自分らしさが戻ったと思います。
転職して後悔したこと
年収が下がってしまったので、今までの生活水準の維持をするための努力が大変に感じました。
20代の方の体験談②
なぜその職業に転職したのか
前職では人不足で皺寄せが酷かったことと、給与やその他のガソリン代支給等のルールが厳しすぎてやってられないと思ったので自由な社風の一般企業へ転職しました。
転職してよかったこと
前職では狭い部屋で同じチームメンバーと仕事をしていて外部との交流が全くありませんでした。転職後は海外出張も頻繁に行っており、様々な種類の方と交流できるようになり世界が広がりました。
転職して後悔したこと
公務員の一番の強みは経済に左右されずに雇用が安定している点ですが、民間ですとやはり業績に左右されるため、ボーナスも増減が激しいのが悩みです。
30代の方の体験談①
なぜその職業に転職したのか
の総務職
公務員のライフワークバランスの適正化は遅れています。残業が常態化しており仕事も属人化しているため業務効率が上がらず、プライベートの時間を持てなかったので転職を決意しました。
転職してよかったこと
残業削減や働き方改革に意欲的に取り組んでおり、以前より帰宅時間が早くなり休日も多くなったので、ワークライフバランスが改善されました。
転職して後悔したこと
公務員として使用できていた宿舎や福利厚生が減ったため、額面以外のサポートが得られなくなりました。それに伴う支出も増えるため収入が減ったように感じてしまいます。
50代の方の体験談①
なぜその職業に転職したのか
管理職になり部下に対する人事評価をすることが求められることに嫌気がさしたため、社会貢献につながる職へ転職しました。
転職してよかったこと
転職前は直属の上司と折が合わず、話しかけるのも億劫になっていました。また周りの仕事に追われていて、気軽に話しかけられる雰囲気ではありませんでした。今は人間関係で悩むことがなくなりました。
転職して後悔したこと
収入が下がりました。あらかじめ理解していたことなのでさほど後悔はしていませんが、介護職の置かれている厳しい現実を実感しました。
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