特養看護師を辞めたい、辛いときのストレス解消法|辞めるか続けるべきかの判断基準を解説

この記事は腰痛・肩こりなどの身体的負担や、ルーティン業務で悩む特養看護師向けに辛い職場環境の改善方法をまとめています。この記事を読むことで、今の職場に残るべきか、転職を検討するべきかが判断できるようになります。

監修者経歴
豊島
豊島
株式会社パーソナルナビ メディア事業部。
キャリアアップメディア『THE CAREER』
のインタビュアー兼ライター。
四年制大学の教育学部を卒業後、
都内公立小学校に勤務。
退職後は教育者の経験を活かし、

20代~30代を中心にキャリアアップ支援事業を行う現職に就く。

特養看護師を「辞めたい」「辛い」と感じるランキング

独自で行ったアンケートを基に特養看護師の業務を行う中で、辞めたい・辛いと感じる理由をまとめました。

理由1位:腰痛や肩こりなど、身体的な負担が多い

入浴介助など、身体的負担の大きい業務も担当する特養看護師。体に負担がかかることが多く、慢性的な腰痛や肩こりに悩まされがちです。

身体的な負担から体調を崩してしまい、仕事の継続が困難になり、離職するケースが見られました。

元特養看護師の声

30代 医療法人の特養看護師
30代 医療法人の特養看護師

体位変換、入浴介助、車椅子移乗など体力的な負担を伴うケアが必須で、常に腰痛や肩こりに悩まされました。

30代 社会福祉法人の特養看護師
30代 社会福祉法人の特養看護師

重たい利用者さんや全介助となる利用者さんの移乗で腰を痛めてしまい、仕事を続けるのが困難でした。

理由2位:ルーティン業務が多く物足りなさを感じる

健康チェックや気管吸引など、毎日同じ仕事を繰り返すことが多いです。変化や成長を実感したい方にとっては、ルーティン業務に物足りなさを感じてしまいます。

スキルの活用機会も少なく、変化のない毎日に不満を抱いて離職するケースが見られます。

元特養看護師の声

40代 社会福祉法人の特養看護師
40代 社会福祉法人の特養看護師

経管栄養メインのルーティン業務のため、看護師のスキルが活かせない点が不満でした。

30代 特別養護老人ホームの看護師
30代 特別養護老人ホームの看護師

TODOリストに従って日中の業務をこなす、といった印象でした。看護師としては物足りなく感じます。

理由3位:高齢者の対応が難しい

不安定な精神状態や認知症の高齢者などが入居しており、1人1人に個別の対応が必要です。

また、認知症患者に不快になる言葉を言われたり、正常な判断ができない患者の相手をするのが苦痛になり、離職するケースも多く見られました。

元特養看護師の声

40代 企業の特養看護師
40代 企業の特養看護師

病気と分かっていても、人格否定をするような言葉が続くと精神的にきついです。

30代 医療法人の特養看護師
30代 医療法人の特養看護師

夜勤では眠れない患者がナースコールを何度も押すため、帰宅後もナースコールの幻聴がしました。

仕事のストレスを解消して、辛い気持ちを抑える方法

特養看護師を辞めた方10名へのアンケートを参考に、辞めたいと感じる理由に対する対処法をまとめました。

Q. 腰痛や肩こりなど身体的な負担を減らすには?

こちらを見る男女の特養看護師

A. ガードルやコルセットで対策

ガードルやコルセットを使用して、できるだけ腰にかかる負担を減らしましょう。また、業務終了後にストレッチなどのケアを行い、重症化を防ぐことも大切です。

A. 周囲に伝えて協力を得る

腰を痛めていることを他のスタッフに伝えておくと良いです。できるだけ腰に負担をかけないよう、周りと協力して業務を行いましょう。

Q. 退屈な仕事から抜け出すには?

メモを書く特養看護師

A. ルーティン業務を工夫してみる

ルーティン業務も、工夫を加えれば面白い仕事になる可能性があります。例えば、日々のカルテ記入を電子化するなど、業務をクリエイティブにすることは可能です。

目の前の仕事を工夫できないかと、まず考えてみるのがおすすめです。

A. リサーチを行いできることを増やす

ルーティン業務から学びを見出すのは難しいため、ネットで同業務のリサーチをしましょう。業務事例などを調べていると、まだ試していない工夫や改善策を発見できることがあります。

Q. 患者とのやりとりを改善するには?

ストレッチをする特養看護師

A. 意識をそらす

患者が不快に感じる言葉を言い始めたら、意識をそらしましょう。不快な言葉でダメージを受けないように、心の中で歌を歌うなど、別のことを考えるのがおすすめです。

A. 軽い運動やストレッチをする

気分転換とオンオフを切り替えるために、軽い運動やストレッチをしましょう。勤務終了後に歩いて帰ったり、ストレッチするなど、ストレスを溜めないように心がけましょう。

どうしても辞めたい・辛い気持ちが消せない場合は

自分がやりたいことを洗い出してみる

やりたいことが明確でないと、今後も同じ不満を抱えてしまう可能性があります。自身の目指すキャリアを明確にし、やりたい方向に向かっているのか、自己分析しましょう。

自己分析が1人でできない・うまく行かない場合は、「i3 アカデミー」の無料自己診断がおすすめです。無料診断やキャリアプランナーの無料相談など、お悩みにあった解決方法が必ず見つかります。

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もし仕事を辞めて、転職するならどうしたらいい?

まずは同じ職種か新しい職種かを決めましょう。決める基準としては年齢が大きく関わってきます。

20代であれば、興味のある業界に飛び込んでも問題ありません。30代以降であれば、これまでの経験を活かせる職種の中で検討することをおすすめします。

経験を活かせる次の仕事

話し合いをするケアマネージャー

ケアマネージャー

老人ホーム入居者のケアプランに携われます。現場で培ったケアを、プラン立案に活かすことができます。

認知症ケア認定士

認知症ケアの専門家であり、認知症患者の看護経験を活かせます。科学的根拠に基づいた治療を行なうため、より専門的な支援ができるでしょう。

どこで仕事を探すのがいいの?

仕事を探す方法は大きく3つの方法があります。

種類転職サイト転職エージェント人からの紹介
特徴サイトに掲載された求人から選び、自分で応募キャリアアドバイザーのサポートを受けつつ転職先を探す知人や社員の紹介・推薦により選考が始まる
メリット好きなタイミングで、行きたい企業に応募可能転職先調査などを代行してもらうため、手間がかからない書類選考が免除される場合がある
デメリット求人に応募が殺到し、反応がないことがあるアドバイザーに当たり外れがある不採用時に紹介者との関係が悪化する可能性あり

どの方法を選ぶにせよ、まずは第三者に相談をして客観的な意見を聞いてみることをおすすめします。

みんなはどうしてる?特養看護師の退職・転職状況

厚生労働省「令和2年雇用動向」調査より引用

特養看護師の離職率に関して、明確なデータは現状存在しません。しかし特養看護師職は医療・福祉業界に属するため、医療・福祉業界の離職率が参考になるでしょう。

厚生労働省の調査結果では、医療・福祉業界の離職率は14.2%です。

医療的な判断の責任が重く、夜間オンコールの負担など、想像よりも肉体的・精神的に辛いことが一因だと考えられます。あなた以外にも辛い職場を経験し、他の業界・職業へ転職する方が多いようです。

仕事を辞めた人、転職した人の体験談

20代の方の体験談①

訪問看護ステーションの看護師

転職先:訪問看護ステーションの看護師

なぜその職業に転職したのか

訪問看護ステーションの看護師
訪問看護ステーションの看護師

意見を言いづらい環境だったからです。上下関係が厳しく、業務のやり方がおかしくても指摘できません。この施設で働いても看護師として成長できないと感じ転職しました。

転職してよかったこと

看護師として成長できることです。現在の訪問看護では人工呼吸器やCVポートの管理、がん末期の麻薬管理等、高い医療技術や知識を必要とする業務を担当できています。

転職して後悔したこと

夜間の待機当番があることです。特養では夜間の呼び出しはなく、電話のオンコールも22時までの対応でした。訪問看護は24時間体制なので精神的に疲れるときがあります。

20代の方の体験談②

転職先:社会福祉法人の特養看護師

なぜその職業に転職したのか

社会福祉法人の特養看護師
社会福祉法人の特養看護師

自分の時間が欲しかったからです。急性期病院で働いていたときは、忙しすぎて自分の時間は0でした。人生が仕事で埋め尽くされることが嫌になり、ゆったりと働ける特養に転職しました。

転職してよかったこと

自分の時間がとれることです。定時で帰宅でき、辞める人も少ないので、休みも取りやすくなりました。

転職して後悔したこと

学ぶ機会が減ったことです。患者さんの入れ替わりが少なく、医療処置や病態も簡単なので、新しく知識を入れる機会がありません。

30代の方の体験談①

有料老人ホームの男女職員

転職先:株式会社の有料老人ホーム

なぜその職業に転職したのか

株式会社の<br>有料老人ホーム
株式会社の
有料老人ホーム

家族の介護が必要になったからです。看護技術に不安があったため、病院の夜勤ではなく有料老人ホームの夜勤専従に転職しました。

転職してよかったこと

家族に寄り添えたことです。夜勤専従看護師になったので、日中は家族の介護に専念できました。体力的にはきつかったですが、家族に対して充実した介護ができました。

転職して後悔したこと

年収が下がったことです。夜勤専従は正社員になれないためボーナスがありません。時給は1900円で看護師としては高くないので、正社員になれる夜勤専従を探すべきでした。

30代の方の体験談②

転職先:クリニックの看護師

なぜその職業に転職したのか

クリニックの<br>看護師
クリニックの
看護師

子育ての両立などを加味した結果、負担の少ないクリニックへの転職を決意。老人ホームでの介護を、クリニックのお年寄りへのケアに活かせています。

転職してよかったこと

子育てとの両立が楽になったことです。身体介護の負担が減ったこと、夜勤がなくなったことで子育てと両立できています。

転職して後悔したこと

ボーナス額が下がったことです。月収は良いのですが、もう少し希望が通ればよかったと思います。

40代・新卒の方の体験談①

社会福祉法人の有料老人ホームの男性看護師

転職先:社会福祉法人の有料老人ホームの看護師

なぜその職業に転職したのか

社会福祉法人の有料老人ホームの看護師
社会福祉法人の有料老人ホームの看護師

看護師長のパワハラがひどかったからです。定年を過ぎた看護師長が、新入職員を退職に追い込むため、良い職員が定着せず、人間関係も複雑ででした。

転職してよかったこと

ワークライフバランスがとれています。夜勤がなく、日勤勤務のため労働時間が短くなりました。

転職して後悔したこと

年収が下がったことです。夜勤がないため年収が下がりました。病院と比べ賞与も劣ります。

40代の方の体験談②

転職先:訪問看護

なぜその職業に転職したのか

訪問看護
訪問看護

認知症の人が多く、なかには大変威圧的な方がいました。「誰があんたの給料払ってるんだ」と暴言を1時間近く繰り返す。いくら認知症でも、精神的に辛かったです。

転職してよかったこと

30分で介護が終わることです。どんなに嫌な人でも、訪問して30分経てば帰宅ができます。「次の訪問がありますので」ともっともな理由があるので、文句も言われません。

転職して後悔したこと

身体的な負担が増えたことです。自転車での訪問があり、夏は暑く雨の日はもっと辛いです。

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