この記事は人間関係や研究で悩む大学教員向けに辛い職場環境の改善方法をまとめています。この記事を読むことで、今の職場に残るべきか、転職を検討するべきかが判断できるようになります。
監修者 | 経歴 |
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豊島 | 株式会社パーソナルナビ メディア事業部。 キャリアアップメディア『THE CAREER』 のインタビュアー兼ライター。 四年制大学の教育学部を卒業後、 都内公立小学校に勤務。 退職後は教育者の経験を活かし、 20代~30代を中心にキャリアアップ支援事業を行う現職に就く。 |
大学教員を「辞めたい」「辛い」と感じるランキング
独自で行ったアンケートを基に大学教員の業務を行う中で、辞めたい・辛いと感じる理由をまとめました。
理由1位:人間関係の悩みが多い
人材の流動性が低いため、職場には派閥があることが多く、人間関係をこじらすと仕事がしづらくなります。
しかし、上司のご機嫌取りに嫌気がさし、離職を考える方が多くいらっしゃいました。
元大学教員の声
教職員の意識が派閥争いや学長選挙の根回しに向き、いじめやパワハラが横行。何人もの専任が休職、退職しました。
派閥ごとの人間関係が面倒臭かったです。出身大学への誇りとマウントトークが毎日苦痛でした。
理由2位:研究の成果が出ないことがある
前例のない研究テーマを、手探り状態でゴールに近づけていくのは、精神的なプレッシャーがあります。ゴールに到達するための方法を模索する辛さに悩み、退職するケースも。
元大学教員の声
研究テーマに強い興味が持てませんでした。自分の研究者としての将来を考えて、退職の意向が次第に強くなりました。
研究成果がないと厳しい環境でした。研究室への配分にも関わるため、精神的なプレッシャーが大きかったです。
理由3位:勤務時間が長い
休日や帰宅後も寝る直前まで、メールやチャットでのやりとりをしていることは日常茶飯事。勤務時間外にも仕事が割り込むため、プライベート重視の人には厳しい環境です。
また、テスト期間や論文提出時期は、自身の研究以外の対応に追われさらに忙しいです。
元大学教員の声
大学の教員である限り、修士論文提出の時期にはやむを得ず、大学に泊まることがあります。
研究時間が取れず、学問的知識を伝える大学の意義が失われています。
仕事のストレスを解消して、辛い気持ちを抑える方法
大学教員を辞めた方10名へのアンケートを参考に、辞めたいと感じる理由に対する対処法をまとめました。
Q. 人間関係や派閥の悩みを改善するには?
A. 同僚に相談する。
自分ひとりで悩むより、誰かに相談しましょう。客観的な意見が得られ、自分の考えを見つめ直す機会になります。
また、人間関係を解決するアイデアが出てくるかもしれないため、悩んだ際にはまず相談するのがおすすめです。
A. 同じ考えの人と集う。
無派閥の人と関わるようにしましょう。話が合う人とお互いの苦境を共有しつつ、支え合えると心強いです。
Q. 研究の悩みを改善するには?
A. 研究テーマを広げる。
世界初の研究テーマでも、少し範囲を広げると先行論文が多数あります。それらを参考に、目標達成のためにはどのような手段を採用するのが最短か考えましょう。
Q. 勤務時間の長さを改善するには?
A. スケジュールを共有する。
共に研究する学生や上司と、スケジュールを共有しましょう。スケジュールの把握ができれば、休日を避けて仕事の連絡ができます。
誰が休みかいつでも分かるよう、クラウドツールなどで全体共有するのがおすすめです。
A. 資料作成を効率化する。
資料作成の業務が多いため、効率化できる部分は意外と多いです。講義資料はテンプレートを使い回して作成し、執筆作業は音声入力ツールなどを使用してみましょう。
また、学生アルバイトを導入して、単純作業は外注してしまうのがおすすめです。
どうしても辞めたい・辛い気持ちが消せない場合は
自分がやりたいことを洗い出してみる
やりたいことが明確でないと、今後も同じ不満を抱えてしまう可能性があります。自身の目指すキャリアを明確にし、やりたい方向に向かっているのか、自己分析しましょう。
自己分析が1人でできない・うまく行かない場合は、「i3 アカデミー」の無料自己診断がおすすめです。無料診断やキャリアプランナーの無料相談など、お悩みにあった解決方法が必ず見つかります。
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もし仕事を辞めて、転職するならどうしたらいい?
まずは同じ職種か新しい職種かを決めましょう。決める基準としては年齢が大きく関わってきます。
20代であれば、興味のある業界に飛び込んでも問題ありません。30代以降であれば、これまでの経験を活かせる職種の中で検討することをおすすめします。
経験を活かせる次の仕事
エンジニア
研究とエンジニアリングは、「分かりやすく物事を設計する」という点で共通しています。論文作成で培った能力を活かせます。
研究開発職
企業での研究開発も、基本的に求められる能力は同じです。前職の研究内容と似ている分野であれば、即戦力になれます。
どこで仕事を探すのがいいの?
仕事を探す方法は大きく3つの方法があります。
種類 | 転職サイト | 転職エージェント | 人からの紹介 |
---|---|---|---|
特徴 | サイトに掲載された求人から選び、自分で応募 | キャリアアドバイザーのサポートを受けつつ転職先を探す | 知人や社員の紹介・推薦により選考が始まる |
メリット | 好きなタイミングで、行きたい企業に応募可能 | 転職先調査などを代行してもらうため、手間がかからない | 書類選考が免除される場合がある |
デメリット | 求人に応募が殺到し、反応がないことがある | アドバイザーに当たり外れがある | 不採用時に紹介者との関係が悪化する可能性あり |
どの方法を選ぶにせよ、まずは第三者に相談をして客観的な意見を聞いてみることをおすすめします。
みんなはどうしてる?大学職員の退職・転職状況
大学教員の離職率に関して、明確なデータは現状存在しません。しかし大学教員は教育・学習支援業界に分類されるため、教育・学習支援業界の離職率が参考になるでしょう。
厚生労働省の調査結果では、教育・学習支援業界の離職率は、15.6%です。
他の職種に比べ人間関係や派閥、研究の悩みなどが一因だと考えられます。あなた以外にも辛い職場を経験し、他の業界・職業へ転職する方が多いようです。
仕事を辞めた人、転職した人の体験談
20代・新卒の方の体験談①
なぜその職業に転職したのか
任意付き大学教員で、職場や給料が安定しなかったからです。また、土日勤務で研究の都合上、夜遅くまで働く機会もありました。
転職してよかったこと
プライベートが充実したことです。クラウドソーシングを利用して、フリーランスになったため、働く場所や時間を自由に選べるようになりました。
転職して後悔したこと
年収が下がったことです。これから上がるように努力する予定です。
30代・新卒の方の体験談①
なぜその職業に転職したのか
前職の経験を活かせる上に、安定しているからです。前職では任期付きの助教職でした。研究職に残るためには結果が求められるため、プライベートの時間が取れませんでした。
転職してよかったこと
フレックス制になり、生活スタイルの自由度が上がったことです。早く出社し早く退社するなど、研究内容に合わせて勤務時間を調整できるようになりました。
転職して後悔したこと
研究の自由度が下がったことです。会社である限り利益の出ないことはできません。面白いと感じても、実行に移せない研究はあります。
40代の方の体験談①
なぜその職業に転職したのか
プロジェクト期間が終了し、任期満了になったためです。国のプロジェクトの予算で任期付きの研究員として雇用されていました。
転職してよかったこと
規則的な生活になったことです。夜中に研究実験を行わないといけないことも多々あり、健康的な生活とはいえませんでした。
転職して後悔したこと
年収が下がったことです。給与は組織として決まっているので、仕方ないと思っています。
40代・新卒の方の体験談②
なぜその職業に転職したのか
研究とプライベートの時間が確保できなかったからです。学生が減少しているにもかかわらず、日々の雑用が膨大に膨れていました。
転職してよかったこと
自由時間と研究時間を確保できることです。フリーランスとなったことで、時間を柔軟に使えるようになりました。
転職して後悔したこと
年収が下がったことです。安定した収入が得られなくなりました。資産運用を行い、資産の管理・副収入を得るように努力しています。
50代・新卒の方の体験談①
なぜその職業に転職したのか
パワハラ、アカハラを受けてうつ病を発症したためです。心身ともに衰弱し余命宣告されるほどでした。復職して、準専任で働きながら開業準備をして退職しました。
転職してよかったこと
社会的地位や権力にこだわり、汚い手口で人を死に追いやるくらい酷いことをする歪んだ世界から、自由になれました。
転職して後悔したこと
仕事がなくなる不安があることです。自営なのでお客様が来なければ仕事ができません。ニーズに合った商品を提供しなければ、次の依頼はありません。常に自分の力量が試されます。
50代・新卒の方の体験談②
なぜその職業に転職したのか
早期退職を機に地元に戻りました。大学での研究内容は役立ちませんでしたが、以前システム開発の仕事をしていた経験を活かして、転職しました。
転職してよかったこと
ライフワークバランスが明確になったことです。基本的に残業がないため、規則正しい生活を送れるようになりました。家で仕事をすることもないので、仕事のストレスはないです。
転職して後悔したこと
年収が半分以下に下がったことです。生活がギリギリで、現在副業を探しています。
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