教員/教師を辞めたい、辛いときのストレス解消法|辞めるか続けるべきかの判断基準を解説

この記事は保護者からのクレーム対応や仕事量の多さで悩む教員・教師向けに、辛い職場環境の改善方法をまとめています。今の職場に残るべきか、転職を検討するべきかが判断できるようになります。

監修者経歴
豊島
豊島
株式会社パーソナルナビ メディア事業部。
キャリアアップメディア『THE CAREER』
のインタビュアー兼ライター。
四年制大学の教育学部を卒業後、
都内公立小学校に勤務。
退職後は教育者の経験を活かし、

20代~30代を中心にキャリアアップ支援事業を行う現職に就く。

教員を「辞めたい」「辛い」と感じる理由ランキング

独自で行ったアンケートを基に、教員の業務を行う中で、辞めたい・辛いと感じる理由をまとめました。

理由1位:保護者のクレーム対応がつらい

保護者からの理不尽なクレームの対応にストレスを感じている方が多くいらっしゃいました。時には、報告書や誓約書の作成を強要されるケースもあるようです。

教師や教員の、生徒たちに対する指導や学校の運営に専念したいという想いに反して、保護者からのクレーム対応に追われなければいけない日々に、理想と現実のギャップを感じてしまう人も少なくないようです。また、クレーム対応に時間を割かれることで、授業や生徒指導に割く時間が減ってしまい、本来の教師としての仕事に集中できなくなってしまうという声も上がっていました。

保護者からのクレーム内容としては、授業や評価についての不満、生徒同士のトラブルなど様々です。教師として、保護者からのクレームに真摯に向き合い、解決策を提案する必要がありますが、感情的な保護者の対応や、クレームの内容に対する納得ができない場合もあるため、対応に苦慮することがあるようです。

元教員の声

<span class="fz-12px">20代 <br>公立小学校<br>の非常勤職員</span>
20代
公立小学校
の非常勤職員

理不尽な対応を迫る保護者が数名いました。「約束を絶対全員守るクラス」にしてくれと念書を迫られたときは精神的に辛かったです。

<span class="fz-12px">30代<br>私立中学校<br>の教員</span>
30代
私立中学校
の教員

ほぼ毎日のように学校にクレームを入れてくる保護者がいて絶えきれませんでした。報告書の作成も手間でした。

理由2位:残業や連勤が当たり前

授業の準備や掲示物の作成、評価や学級経営の進め方など、一人が多岐にわたる業務を担当しているため、仕事量は他の職業に比べても非常に多いです。定時を過ぎたり土日出勤は当たり前であり、公立の学校に勤めている場合、残業代が出ないケースがほとんどです。

特に新しい授業科目を担当した場合や、学年主任を務めた場合は、業務量がさらに増加するため、残業や連勤が当たり前になってしまうという傾向があります。

授業の準備には時間をかける必要があるので、自宅や休日にも仕事を持ち帰っているという声も多くありました。また、生徒指導の点においても、生徒の問題解決や相談に応じる必要があるため、緊急の連絡があれば放課後や休日出勤をすることもしばしば。

学校行事の運営や部活指導なども教師の仕事に含まれるため、行事がある時期は、いつも以上に多忙なスケジュールに追われ、ストレスや健康問題を抱えてしまう教師の方も少なくないようです。

元教員の声

<span class="fz-12px">20代 <br>私立中学校<br>の教員</span>
20代
私立中学校
の教員

30連勤で働いていた時がありました。本を読んだり映画を見ても内容が頭に入りません。たまにある休日も1日中寝て過ごし、体力の回復をするしかありませんでした。

<span class="fz-12px">30代</span><br><span class="fz-12px">公立高校<br>の教員</span>
30代
公立高校
の教員

担任業務・部活動・授業と、やることが多すぎてパニックになることが多々ありました。教師間のサポート体制もなく、助けを求めることも難しかったです。

理由3位:生徒との関係が上手く行かない

生徒の性格や指導に対する受け取り方は様々であり、反抗的な態度を取る生徒だけでなく、ネガティブな考え方の生徒へのケアも必要です。生徒への接し方が難しく、思い悩む方が多くいらっしゃいました。

特に思春期の生徒とのコミュニケーションには苦労するという意見が多く、生徒に敬意や信頼を示されず、反発や対立が生じ学級崩壊に陥ってしまうという深刻な問題も起きているようです。

どんな生徒に対しても、教師は生徒との信頼関係を築くために様々な努力をし、公平公正に関わる必要がありますが、生徒の家庭環境や背景によって、教師との関係が悪化してしまうことがあます。

一度関係が悪化してしまうと改善するのはなかなか難しいものです。日々生徒との関係改善に悩み、精神的不安を抱え、やむを得ず休職してしまうケースも少なくありません。

元教員の声

20代<br>公立中学校<br>の教員
20代
公立中学校
の教員

若い女性教師を小馬鹿にした一言や、反抗的な態度をとられたことがあります。心の余裕のなさが相まって、常にイライラしていました。

30代<br>私立中学校<br>の教員
30代
私立中学校
の教員

大人の常識が子どもには通じないので、どうかみ砕いて伝えるかが難しく、指導の際はいつも苦労しました。

仕事のストレスを解消して、辛い気持ちを抑える方法

教員を辞めた方10名へのアンケートを参考に、辞めたいと感じる理由に対する対処法をまとめました。

Q. 保護者対応による心労を改善するには?

A. 上手くいっている同僚を手本にする
保護者対応をする教員

保護者対応の上手な同僚がいる場合、上手くいっている理由を聞いて真似しましょう。話し方や聞き方、親への連絡頻度などを工夫していることが多いです。その結果、対応の引き出しも増えていき、自身の成長にもつながります。

自己流にこだわりすぎず、同僚に相談し積極的に他者のよいところを取り入れていきましょう。

A. クレームを分類し、対応策を決めておく

保護者のクレームはおおむね「友人関係」「学習内容」「学校行事」に分類できます。各クレームに対し「どこで、いつ、どの同僚と一緒に、どんな話し方で伝えるか」などの対処法を決めておきましょう。

クレーム内容を分類するにあたり、少々手間にはなりますが、行事やイベント終わりに毎回、参加した保護者にアンケート調査を行い、もらった意見や指摘をデータ化するのも良いでしょう。

保護者対応の後に良かった・悪かった点を振り返ることができ、今後の対応に活かすことができます。

Q. 残業や長時間労働を改善するには?

A. やらない仕事を増やす
事務作業をする女性

教員の仕事は多岐に渡り、効率化だけでは解決できないことも多いです。そのため、そもそもやらないことを増やすのがおすすめです。

例えば、部活動では出場しない大会を増やしたり、外部コーチに指導を依頼するなどやり方は様々です。実習指導は他の職員と日程調整を行い、休日の実習引率も実習自体の必要性を学科の職員と話し合ってみましょう。

A. 業務の棚卸しを行う

日常的に発生する業務を洗い出し、各業務にかかる時間をまとめてみましょう。業務時間内でできる作業量が分かるため、定時退社できるスケジュールを可視化できます。

また、洗い出した結果をもとに管理職に相談をしたり、仕事を頼まれた際に引き受けて良いのかどうかを判断できるようにもなります。

今抱えている仕事量を可視化することで、ある一定の教員にだけ仕事が回ってくることを防ぐことにもつながります。

Q. 生徒との関係性を改善するには?

A. 信頼できる先輩に相談する
PCを見ている男性社員

ひとりで抱え込まずに、信頼できる先輩に相談することです。特に若いうちは経験が少なく、子どものことで悩むのは当たり前です。学級経営が上手くいっている方の話を聞いてみましょう。

自分の空いているコマに、学級経営がうまくいっている先輩の授業を見学しに行き、生徒との関わり方や指導の仕方などを実際に目で見てメモするのも一つの方法です。「百聞は一見に如かず」です。自分の目で確かめてみましょう。

A. 自分の時間を確保する

心や時間にゆとりがあると、生徒への対応も余裕を持ってできるようになります。「毎週水曜日は定時退社をする」などのルールを決めておきましょう。

また定時退社日に仕事が増えすぎないよう、周りの同僚にもルールを伝えておくのがおすすめです。学年の教師や担当教科が同じ教師と互いに協力しあって、早く退社する空気を作りましょう。

どうしても辞めたい・辛い気持ちが消せない場合は

自分がやりたいことを洗い出してみる

やりたいことが明確でないと、今後も同じ不満を抱えてしまう可能性があります。自身の目指すキャリアを明確にし、やりたい方向に向かっているのか、自己分析しましょう。

自己分析が1人でできない・うまく行かない場合は、「i3 アカデミー」の無料自己診断がおすすめです。無料診断やキャリアプランナーの無料相談など、お悩みにあった解決方法が必ず見つかります。

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もし仕事を辞めて、転職するならどうしたらいい?

まずは職種を変えるか検討しましょう。決める基準としては年齢が大きく関わってきます

20代であれば、興味のある業界に飛び込んでも問題ありません。30代以降であれば、これまでの経験を活かせる職種の中で検討がおすすめです。

経験を活かせる次の職種

男性カウンセラー

カウンセラー

教育現場では多種多様な子どもたちの声を聞くことから、人の相談に乗るカウンセラーに向いています。学校の先生には話せない子どもたちの心の悩みや苦悩などもカウンセラーなら聞き出すことができます。幼少期から青年期、老齢期の方など幅広い年代の相談対応が主な職務になります。

塾の講師

本格的な教育職に従事していた経験から、塾の講師が向いています。専門知識があるため、すぐに塾の活動に従事することができます。学習面だけでなく、生徒のメンタル面などもサポートすることができます。

どこで仕事を探すのがいいの?

仕事を探す方法は大きく3つの方法があります。

種類転職サイト転職エージェント人からの紹介
特徴サイトに掲載された求人から選び、自分で応募キャリアアドバイザーのサポートを受けつつ転職先を探す知人や社員の紹介・推薦により選考が始まる
メリット好きなタイミングで、行きたい企業に応募可能転職先調査などを代行してもらうため、手間がかからない書類選考が免除される場合がある
デメリット求人に応募が殺到し、反応がないことがあるアドバイザーに当たり外れがある不採用時に紹介者との関係が悪化する可能性あり

どの方法を選ぶにせよ、まずは第三者に相談をして客観的な意見を聞いてみることをおすすめします。

みんなはどうしてる?教員の退職・転職状況

文部科学省が発表した、令和元年度学校教員統計調査では、公立の小学校、中学校、高等学校ともに離職率は1%前後と教員の離職率は非常に低くなっています。

その一方で、教員を続けている人の中にも、離職や転職を考えている人、教員を続けながらも副業をしている、検討している人が2割を超えていることが分かりました。

教員600人調査、約2割が「退職・転職」希望の過酷を元に当社がグラフを独自に作成

教職の方々は、保護者からのクレーム対応や長時間労働、業務過多などの悩みから、将来的には離職や他業種への転職を検討している人が多いようです。

仕事を辞めた人、転職した人の体験談

20代・新卒の方の体験談①

転職先:私立高校の教員

なぜその職業に転職したのか

私立高校の教員
私立高校の教員

一日中働く必要があったからです。平日の朝は就業時間前に出勤して、夜は21時頃まで残業。休日は部活動と仕事に追われ、プライベートの時間がほぼありませんでした。

転職してよかったこと

残業時間が減って自由時間が増えたことです。サービス残業が減り、自分の好きなことのために時間を確保できます。

転職して後悔したこと

残業時間が減ったことで必然的に給与が減ってしまいました。また、時間的な余裕ができたため、仕事で楽な方に逃げてしまう癖がつきました。

20代・新卒の方の体験談②

飲食店で働く女性

転職先:飲食店

なぜその職業に転職したのか

サービス業
サービス業

部活動指導などにより、30日連続勤務になったためです。自己研鑽の時間がとれず、本来力を入れるべきである授業準備に力を注げませんでした。

転職してよかったこと

理想的なワークライフバランスになりました。休日出勤がなく、保護者や生徒からの電話もないため、ストレスがありません。

転職して後悔したこと

時間の切り売りをしている感覚になることです。自分の成し遂げたいことには当てはまらない仕事なので、どうしても無駄な時間を過ごしている感覚に陥ります。

30代の方の体験談①

電話をかける男性

転職先:人材業界の総務

なぜその職業に転職したのか

総務
総務

土日祝日が部活動顧問で潰れ、休みがほぼ取れなかったためです。新たな職場は土日祝日休みの会社なので、毎日が充実しています。

転職してよかったこと

体調が良くなったことです。土日祝日が完全に休みのため、しっかり休息が取れています。趣味のための時間も確保できるのも嬉しいです。

転職して後悔したこと

給与が下がったことです。転職したばかりのため、給与が前職よりも下がりました。しかし、経験を積んでいけば数年後には給与が前職を上回るので、悲観はしていません。

30代の方の体験談②

地方公共団体の女性

転職先:地方公共団体(社会福祉)

なぜその職業に転職したのか

地方公共団体
地方公共団体

社会福祉士の資格も所持していたので、再度一年発起し、地元の公務員試験を再受験して転職しました。

転職してよかったこと

残業が減ったことです。教員はサービス残業の塊といっても過言ではありません。家庭訪問や意味のない会議が多々あります。

転職して後悔したこと

先生と呼ばれなくなったことです。職業が変わったので当たり前ですが、どこか寂しくもあります。

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