この記事は人間関係や休日出勤の対応で悩む介護事務向けに辛い職場環境の改善方法をまとめています。この記事を読むことで、今の職場に残るべきか、転職を検討するべきかが判断できるようになります。
監修者 | 経歴 |
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豊島 | 株式会社パーソナルナビ メディア事業部。 キャリアアップメディア『THE CAREER』 のインタビュアー兼ライター。 四年制大学の教育学部を卒業後、 都内公立小学校に勤務。 退職後は教育者の経験を活かし、 20代~30代を中心にキャリアアップ支援事業を行う現職に就く。 |
介護事務を「辞めたい」「辛い」と感じるランキング
独自で行ったアンケートを基に介護事務の業務を行う中で、辞めたい・辛いと感じる理由をまとめました。
理由1位:人間関係の悩みが多い
介護現場では、介護士や看護師など複数職の方がいるため、派閥争いのようなことは多々あります。ギスギスした雰囲気に悩み、退職を決意する方もいました。
介護現場は、利用者の方に対して高い責任が求められる環境であるため、介護士、看護師、理学療法士、作業療法士、ソーシャルワーカーなど、様々な職業の人が共同で働き、患者様のケアを行っています。異なる専門性やアプローチをもつ人々が集まるため、意見の一致や不快が生じやすく、摩擦や対立の原因となることが多く起こるようです。
介護現場ではストレスや感情的な負担が大きいため、個人のストレスを他のスタッフにぶつけてしまう人も少なからずいるようです。職場全体の雰囲気が悪くなり、仕事に対するモチベーションの低下や職場不和の原因にも繋がります。
元介護事務の声
悪口や陰口を言ったり、現場の人に無愛想に振舞ったりする先輩方を見て、一緒に仕事をしたくないと思いました。
先輩から「皆があなたの仕事は駄目だと言っていた」と、理不尽な指導をされました。
理由2位:休日出勤や勤務時間外の対応
勤務時間外にも関わらず、スタッフや外部への連絡対応をしなければいけません。プライベートの時間が確保できずに、ストレスを抱える方が多くいらっしゃいました。
介護の現場は、患者様や利用者の方のケアが24時間365日必要な場所であるため、スタッフには柔軟な勤務体制が求められます。患者様の健康状態は常に変化し、予測できない事態が発生することもあるため、夜間や週末、祝日にもスタッフが急に出勤せざるを得ない状況が生まれることがあります。
施設からの勤務時間外の連絡だとしても、電話やメッセージに返信しなくてはいけない状態が常態化し、プライベートの時間を犠牲にする方が多くいます。ワークライフバランスを考えたときに勤務体制に不満を感じ、転職を検討する方も多くいらっしゃいます。
元介護事務の声
休日が丸一日潰れることがあったり、連絡が取れないことで叱責されたり、とても辛く感じました。
職員の数が足らず、休日出勤が多かったです。出勤して業務をこなすしかなく、辛かったです。
理由3位:指導や教育の不足
介護事務職は、複雑な業務と法的要件を含むため、新入職員や経験の浅い職員に対して適切な指導や研修が必要な職業です。しかし、現実は研修制度の不充実や業務マニュアルがないことが問題視され、業務内容の理解に苦しむケースが多々見られます。
介護事務職は医療・介護の規制やプロセスに関する高度な知識が求められます。十分な研修プログラムが提供されていない職場では、新入職員や未経験者が法的な要件や業務プロセスを理解することは難しくなっています。この状況は、患者様や利用者様に悪影響を及ぼす可能性もあるため、職務遂行上ストレスと不安を抱えることに繋がってしまいます。
指導体制や教育の不足は、新入社員や経験の浅い職員の方にとっては深刻な問題です。何かトラブルが起きた場合に職場内に混乱が起きるだけでなく、普段から自分の仕事ぶりやスキルに対して自信をもつことが難しくなるためモチベーションの低下に影響します。
元介護事務の声
「分からないことは聞け」という感じでした。でも逐一質問をすると、嫌味や小言を言われて恫喝されます。
質問に対して快く答えてもらえることが少なかったです。研修期間に何度も辞めたいと思いました。
仕事のストレスを解消して、辛い気持ちを抑える方法
介護事務を辞めた方10名へのアンケートを参考に、辞めたいと感じる理由に対する対処法をまとめました。
Q. 人間関係の悩みを改善するには?
A. 自分の意見を言えるようにする。
人間関係の悩みを改善するには、まずは自分の意見をはっきりと伝えることも大切です。人とぶつかることを極端に恐れていては、状況は何も変わりません。
異なる背景や意見をもつ人々が集まる場所でのコミュニケーションは、摩擦が生じてしまう場面が多々あります。その際に、相手の意見や立場を尊重し、対話しながら共通の解決策を見つける努力をしましょう。自分の意見を伝えるときには、感情的な言葉を避け、事実に基づいたアプローチを取ることを心がけましょう。
自己主張ができることは、自己評価感や自信を高め、人間関係においてのストレス軽減に非常に効果的です。正しいコミュニケーションと自己主張のバランスを保ちながら、良好な職場環境を築くことが大切です。
A. 毅然とした態度を取る。
パワハラをする上司に対して、毅然とした態度を取ることは大切な一歩です。毅然とした態度をとることで冷静に具体的なアプローチをすることができます。感情を抑えつつ、相手に直接嫌だという気持ちを伝えることも重要です。
また、状況によっては証拠を取っておくことも大切です。言葉行動の記録、メールやメッセージの保存、録音など、確かな証拠を残し、いざというときに活用できるように準備しましょう。証拠があることによって主張が信頼性を増し、対処が円滑に進みます。
同僚や信頼のできる上司に相談し連携を図ることもおすすめです。様々な視点から問題解決の糸口を図り、サポートも受けることができます。
最悪の場合は、法的な手段を検討することもあります。労働法やパワハラの考え方を理解し、必要な専門家のアドバイスを受けることが重要です。
Q. 時間外労働を改善するには?
A. 後輩の育成。
後輩社員の育成に力を入れましょう。指導や研修プログラムを充実させ、必要なスキルや知識を習得できる環境を整えることで後輩社員の裁量を増やしましょう。管理職がいない場合でも、社員が当日の責任者として対応できるようにします。適切な業務フローとコミュニケーション手段を確立し、緊急な問題にも対処できるようにします。
後輩が居ない場合は、チームメンバーと協力して、業務を分担しましょう。連携を強化し、役割と責任を分散させることで、一人だけが大きな責任や業務量を背負わないようにできます。
A. スケジュール管理を徹底する。
週間スケジュールやスタッフのシフト管理を工夫し、適切な人員数を確保することも負担軽減に有効的です。残業が発生しやすい状況を事前に予測し、人員を正しく配置することが大切です。
若手社員の育成やサポートが十分に行えるようにシフトを調整し、チームの協力によって、時間外労働を改善することができます。スタッフの労働負担を軽減しながら各自のスキル向上と満足度向上を職場全体で目指していきましょう。
Q. 指導や教育の不足を改善するには?
A. 調べて分からないことのみ質問する。
分からないままにしないためには、人に頼るだけでなく自己学習の姿勢も大切です。分からないことは、まずはGoogleなどで自分で調べましょう。上司などに言われて理解できなかったことは積極的に情報を収集しましょう。
自分で調べてもわからない場合は上司に質問します。質問する際はタイミングと適切な手段を見極めましょう。いくつか質問したいことがある場合は、あらかじめ質問内容をまとめてから上司に聞いてみましょう。また、忙しくて勤務中に質問することが難しい上司に対してはメールなどの文面で質問するなど工夫しましょう。質問内容やタイミングを整理することで、上司の時間を奪うことなくストレスも減らすことができます。
質問を受けた側の上司や指導者は、質問や考えに対してきちんとフィードバックを行いましょう。適当に答えてしまっては、知識や技術が身につかずに状況は改善されません。指導不足による課題を洗いだし、同僚と情報共有するなど連携を図りながら、スタッフ全体のスキル向上を目指しましょう。
A. 物事の捉え方を変える。
研修内容が教える人によって異なる場合があります。その場合でも、そういうパターンもあるというポジティブな捉え方をすれば、業務の幅が広がります。
指導者によって異なる指導やアドバイスをされた場合も、混乱するのではなく、一度すべて受け取り、それを組み合わせて自分なりのよい方法を導きだしてみましょう。様々なやり方を知っていることによって創造性が向上し、多様な状況に適応できるようになる効果も見込めます。
様々な情報を学ぶことのできる場として受け入れ、情報をうまく組み合わせ事故の成長に繋げましょう。前向きな姿勢を持ち続けることが、介護事務において成功するための重要なステップとなります。
どうしても辞めたい・辛い気持ちが消せない場合は
自分がやりたいことを洗い出してみる
やりたいことが明確でないと、今後も同じ不満を抱えてしまう可能性があります。自身の目指すキャリアを明確にし、やりたい方向に向かっているのか、自己分析しましょう。
自己分析が1人でできない・うまく行かない場合は、「i3 アカデミー」のキャリアカウンセリングがおすすめです。プロ講師による有料級のカウンセリングが、無料で受けられます。あなたのお悩みにあった解決方法が必ず見つかるはず!
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もし仕事を辞めて、転職するならどうしたらいい?
まずは職種を変えるか検討しましょう。決める基準としては年齢が大きく関わってきます。
20代であれば、興味のある業界に飛び込んでも問題ありません。30代以降であれば、これまでの経験を活かせる職種の中で検討がおすすめです。
経験を活かせる次の仕事
介護士
介護事務を経験してから介護職に就くと、事務方の動きや知識を活かせます。事務の仕事も手伝えるので、職場で重宝されます。
介護事務は、記録管理や患者情報の取り扱いに慣れているため、介護士になっても患者様に対して適切な情報管理を行うことができます。また、現場で介護士として働きながら事務業務のサポートする役割にも回ることができます。事務の大変さを理解し支えることのできる立場になることで、職場内の評価も高くなり、優遇される可能性もあるでしょう。
介護の施設経営
介護事務は、介護業界の経営作業に携わる場合もあります。そのため、介護保険請求の事務をしていた経験を経営に活かせます。
さらに、介護事務の業務では法令や規制に触れる機会も多いため、法的なコンプライアンスを確保する役割も果たすことができます。業界における専門的な知識を持ち合わせることで、施設の評判や信頼を確保することにも繋げられます。
どこで仕事を探すのがいいの?
仕事を探す方法は大きく3つの方法があります。
種類 | 転職サイト | 転職エージェント | 人からの紹介 |
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特徴 | サイトに掲載された求人から選び、自分で応募 | キャリアアドバイザーのサポートを受けつつ転職先を探す | 知人や社員の紹介・推薦により選考が始まる |
メリット | 好きなタイミングで、行きたい企業に応募可能 | 転職先調査などを代行してもらうため、手間がかからない | 書類選考が免除される場合がある |
デメリット | 求人に応募が殺到し、反応がないことがある | アドバイザーに当たり外れがある | 不採用時に紹介者との関係が悪化する可能性あり |
どの方法を選ぶにせよ、まずは第三者に相談をして客観的な意見を聞いてみることをおすすめします。
みんなはどうしてる?介護事務の退職・転職状況
介護事務の離職率に関して、明確なデータは現状存在しません。しかし介護事務は医療・福祉業界に分類されるため、医療・福祉業界の離職率が参考になるでしょう。
厚生労働省の調査結果では、医療・福祉業界の離職率は、14.2%です。
他の職種に比べ人間関係や休日出勤の対応に悩むことなどが一因だと考えられます。あなた以外にも辛い職場を経験し、他の業界・職業へ転職する方が多いようです。
仕事を辞めた人、転職した人の体験談
20代の方の体験談①
なぜその職業に転職したのか
直接介護をしてみたかったからです。福祉系の大学で資格(社会福祉士)をとり、介護事務の仕事に就きました。事務よりも人と接している方が楽しいと感じたため、転職を決めました。
転職してよかったこと
仕事のマンネリ化がないことです。デイサービスは、毎日同じ人が来ることがなく、飽きません。業務内容も送迎・風呂介助・食事介助・リハビリ補助・レク等、変化に富んでいます。
転職して後悔したこと
ボーナスが下がったことです。事務のボーナスは、年間(夏・冬)で65万くらいでした。デイサービスになり、約半分になってしまったのが辛かったです。
20代の方の体験談②
なぜその職業に転職したのか
仕事量が多かったからです。介護事務のほかに入院患者の保険請求や患者への請求業務、受付会計、手が空いた時は外来のレセプト請求、そして介護事務、介護保険請求業務がありました。
転職してよかったこと
趣味の時間が持てたことです。新しい職場では、今までより勤務時間は短く、業務内容も少なかったです。気持ちにゆとりができたので、趣味をやろうという気持ちになりました。
転職して後悔したこと
介護関係のスキルを失ったことです。転職先は業務分担がされている職場だったので、介護に触れることがなくなりました。
30代の方の体験談①
なぜその職業に転職したのか
業務以外の仕事を押し付けられたからです。介護事務員として入社したのに、施設内の清掃などあきらかに事務職としての仕事を逸脱しているような仕事を押し付けられました。
転職してよかったこと
本来の業務以外のことを押し付けられなくなったことです。残業も減りました。
転職して後悔したこと
通勤時間が倍になったことです。前職は電車で片道30分のところにありました。転職先は電車で片道1時間のところにあります。もう少し近場で仕事を探せばよかったと後悔しています。
30代の方の体験談②
なぜその職業に転職したのか
いつのまにか現場業務になっていたからです。使用期間中の現場研修からそのまま介護事務と現場職での勤務に。プライベートの時間がほぼ確保できなくなったので転職をしました。
転職してよかったこと
ライフワークバランスが明確になったことです。職務が明確になり激務でなくなりました。プライベートの時間を確保できるので、仕事に限らず精神的にも余裕ができました。
転職して後悔したこと
年収が下がったことです。年収が100万以上下がりました。年収交渉をしっかり行っておけばよかったです。福利厚生がしっかりしているので現状には満足しています。
40代の方の体験談①
なぜその職業に転職したのか
接客
勤務可能な時間や曜日に制限ができたからです。同じ業種で仕事を探していたのですが、高齢の両親の生活環境に変化がありました。そのため、仕方なく今の仕事をしています。
転職してよかったこと
間違いが許されない緊張感から解放されたことです。クリック一つで、ひと月に1000万円以上を動かし、会社の運転資金をうむ仕事にストレスを感じていました。
転職して後悔したこと
年収が大幅に下がったことです。給料が少なく、ボーナスもありません。
50代の方の体験談②
なぜその職業に転職したのか
現場の職員を見て現場で働きたくなったからです。事務方は裏方なので評価されることがありません。現場は評価されやすいと思いました。
転職してよかったこと
休日を取れることです。前職は自分の代わりの職員がいませんでした。休日出勤しないと業務を回せなかったことを考えると、今はリフレッシュできています。
転職して後悔したこと
給料が下がったことです。残業がない分給料が下がりました。生活設計を立て直すのに時間を要しました。
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