老健看護師を辞めたい、辛いときのストレス解消法|辞めるか続けるべきかの判断基準を解説

この記事は身体的疲労や夜勤による生活リズムの乱れに悩む介護老人保健施設の看護師向けに辛い職場環境の改善方法をまとめています。この記事を読むことで、今の職場に残るべきか、転職を検討するべきかが判断できるようになります。

監修者経歴
豊島
豊島
株式会社パーソナルナビ メディア事業部。
キャリアアップメディア『THE CAREER』
のインタビュアー兼ライター。
四年制大学の教育学部を卒業後、
都内公立小学校に勤務。
退職後は教育者の経験を活かし、

20代~30代を中心にキャリアアップ支援事業を行う現職に就く。

老健看護師を「辞めたい」「辛い」と感じるランキング

独自で行ったアンケートを基に老健看護師の業務を行う中で、辞めたい・辛いと感じる理由をまとめました。

理由1位:夜勤が肉体的に辛い

夜勤により生活リズムが乱れ、身体の不調につながる方も少なくありません。またプライベートな予定を立てにくかったり、家族との時間が取れなかったりといった悩みもあるようです。

ADLが低い傾向にある高齢者が対象となる介護老人保健施設では、ナースコール対応やトイレ介助に加え、せん妄や認知症の患者への対応が夜勤中も頻発することがよくあります。

元老健看護師の声

30代<br>老健の看護師
30代
老健の看護師

前の職場では看護師・介護士の人数が少ないこともあり、夜勤の回数が多く体を壊してしまったので辛かったです。

20代<br>老健の看護師
20代
老健の看護師

独身で特別な事情がない限り、積極的に夜勤に入ることを求められていました。肉体的にとても辛く、早く辞めたいと考えていました。

理由2位:職場の雰囲気がピリついている

看護師・介護士は女性が多く、女性特有のライフステージに対する嫉妬や妬みが同僚間の愚痴となって広まるケースも多いようです。

また急変の起こりやすい高齢者を相手にする職業柄、常に緊張感が張り詰めており、空気の悪さを感じてしまう方が多くいます。

老健看護師の声

20代<br>老健の看護師
20代
老健の看護師

他職種と働く中で、皆それぞれ多忙でピリピリしています。お互いがストレスを感じ取りやすく、精神的に疲弊してしまいました。

20代<br>老健の看護師
20代
老健の看護師

男性がおらず女性同士の歪み合いがありました。少ない看護師の中で派閥があり、先輩の機嫌を伺いながら勤務することに疲れきっていました。

理由3位:患者や家族との関わりが難しい

総合病院の一時入院患者と違い、中〜長期的リハビリを伴う患者がほとんどである老健。状態が回復して自宅へ戻っても通所リハビリの利用や、状態悪化で再度入所など患者とその家族との関係は長く続きます

暴言・暴力を繰り返す認知症患者の場合、患者本人の意思ではないと頭では理解していても精神的にストレスが溜まってしまいます。

20代<br>老健の看護師
20代
老健の看護師

認知症の方も多く入所されており、些細なことで怒鳴られることが頻繁にありました。積み重なると、気持ち的に限界がきてしまいました。

30代<br>老健の看護師
30代
老健の看護師

あまり面会には来ないが老健職員への要求だけ強く言ってくる家族がおられ、その対応は大変でした。

仕事のストレスを解消して、辛い気持ちを抑える方法

老健看護師を辞めた方10名へのアンケートを参考に、辞めたいと感じる理由に対する対処法をまとめました。

Q. 夜勤を無理なく乗り切るためには?

A. 業務前に行動計画を頭に描く。

効率的に業務をこなすことで、必要以上の残業を防ぐことができます。まずは初心に戻って行動計画の徹底を試してみましょう。

単純な作業のように感じますが、夜勤中の業務イメージが一連の流れとして読み取れると、実践もよりスムーズになります。

A. 体調を優先してシフトの相談をする。

自分の体調は自分にしか分かりません。「何かおかしいな」と思ったら無理せず夜勤の回数を減らしてもらうなど調整を行いましょう。無理をしても、体調が悪化して長期での休養が必要となれば周りへの負担も大きくなります。

ピンチの時は同僚や先輩を頼り、周りの人が困っている時は自分がシフトを変わるというチームワークが自然とできれば、夜勤のストレスも軽減されます。

Q. 人間関係の悩みを解消するには?

A. 噂話には関わらない。

女性の職場でよくある噂話ですが、関わらないことが最善策です。噂話をしない人のことを悪くいう人はいません。休憩室でそういう会話になったら、自然と席を離れるなど関わらないようにしましょう。派閥があっても中立な立場を保つことで、面倒な揉め事からも解放されます。

A. 先輩を積極的に頼る。

患者対応や業務に困ったら先輩に相談するようにしましょう。とはいっても、無責任に「分からないから教えてください。」と伝えるのではなく、自分で調べた後に疑問点を質問することが重要です。先輩ナースは頼ってくれる後輩を可愛がる傾向にあります。

自分から周りの人に壁をつくらず、頼れる仲間を増やすことが職場の人間関係改善のカギです。

Q. 患者や家族とうまく付き合うには?

A. 患者とのコミュニケーションを増やす

薬剤投与の管理やリハビリ、疼痛ケアなど高齢者へのケアは幅広く、業務量も増えがちです。日々の業務をこなすことを重視しすぎると、看護の個別性が疎かになってしまうケースがあります。

患者との会話を意識的に増やすことで、患者とその家族が退所後にどのような生活イメージを抱いているのかなど必要な情報収集につなげましょう。

どうしても辞めたい・辛い気持ちが消せない場合は

自分がやりたいことを洗い出してみる

やりたいことが明確でないと、今後も同じ不満を抱えてしまう可能性があります。自身の目指すキャリアを明確にし、やりたい方向に向かっているのか、自己分析しましょう。

自己分析が1人でできない・うまく行かない場合は、「i3 アカデミー」の無料自己診断がおすすめです。無料診断やキャリアプランナーの無料相談など、お悩みにあった解決方法が必ず見つかります。

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もし仕事を辞めて、転職するならどうしたらいい?

まずは職種を変えるか検討しましょう。決める基準としては年齢が大きく関わってきます

20代であれば、興味のある業界に飛び込んでも問題ありません。30代以降であれば、これまでの経験を活かせる職種の中で検討がおすすめです。

経験を活かせる次の職種

養護教諭

看護師の専門的知識は、学校の保健室で活かすことができます。また特別支援学校では、特に医学的知識を必要とするので、臨床経験を活かして、障がいをもつ児童ケアにあたることができます。

ケアマネージャー

介護現場の看護師・介護士・患者・家族などそれぞれの立場の声を聞いてきた経験を活かして、高齢者が抱える問題を適切に判断しゴールを見出すことができます。

どこで仕事を探すのがいいの?

どこで仕事を探すのがいいの?

仕事を探す方法は大きく3つの方法があります。

種類転職サイト転職エージェント人からの紹介
特徴サイトに掲載された求人から選び、自分で応募キャリアアドバイザーのサポートを受けつつ転職先を探す知人や社員の紹介・推薦により選考が始まる
メリット好きなタイミングで、行きたい企業に応募可能転職先調査などを代行してもらうため、手間がかからない書類選考が免除される場合がある
デメリット求人に応募が殺到し、反応がないことがあるアドバイザーに当たり外れがある不採用時に紹介者との関係が悪化する可能性あり

どの方法を選ぶにせよ、まずは第三者に相談をして客観的な意見を聞いてみることをおすすめします。

みんなはどうしてる?老健看護師の退職・転職状況

厚生労働省「令和2年雇用動向」調査より引用

老健看護師の離職率に関して、明確なデータは現状存在しません。しかし、老健看護師は医療・福祉に分類されるため、医療・福祉の離職率が参考になるでしょう。

厚生労働省の令和2年の調査結果では、医療・福祉の離職率は14.2%です。

職務における責任が重いことや自分の意見を主張できない職場環境が一因だと考えられます。あなた以外にも辛い職場を経験し、他の業界・職業へ転職する方が多いようです。

仕事を辞めた人、転職した人の体験談

20代の方の体験談①

転職先:県立高校の養護教諭

なぜその職業に転職したのか

県立高校<br>の養護教諭
県立高校
の養護教諭

前職は定時に帰れることが少ない職場でした。入浴介助などの業務で体力的に限界を感じ、体力面での負担を軽減しながらやりたいことに挑戦するために転職をしました。

転職してよかったこと

元気な子どもたちと接することでエネルギーがもらえて、心が元気になりました。基本的には保健室でひとりの仕事なので、自分のペースで仕事に集中することができました。

転職して後悔したこと

注射や医療機器などの扱いに全く自信がもてなくなりました。またいつか前職に戻りたいと思った時は、新しい看護技術を習得する必要があります。

20代の方の体験談②

転職先:美容クリニックの看護師

なぜその職業に転職したのか

美容クリニック<br>の看護師
美容クリニック
の看護師

前職では残業が多い上に、夜勤も月に5〜6回入っており生活リズムは不規則でした。心身の疲労は徐々に蓄積して、職場環境を変えようと決めました。

転職してよかったこと

新たな知識や技術を習得できるようになりました。特にAGAやEDなど、最新機器を用いながら自分の視野も広がり、良い経験ができています。

転職して後悔したこと

年収が下がってしまったので、その面ではデメリットかもしれません。ただワークライフバランスが良くなったので、現状には満足しています。

30代の方の体験談①

転職先:病院のケースワーカー

なぜその職業に転職したのか

看護師として今後夜勤を続けていく自信がなかったため、医療職の中でも定時で業務を終えることのできるケースワーカーへの転職を決意しました。

転職してよかったこと

看護師時代の知識や経験を活かして患者さんのサポートができています。公的補助制度の説明や利用方法など、より専門的な知識を得ることができました。

転職して後悔したこと

定時で帰る日が増えましたが、夜勤がなくなった分の手当が減ってしまいました。経験を積んで収入アップを目指します。

40代の方の体験談①

転職先:訪問看護ステーションの管理者

なぜその職業に転職したのか

訪問看護ステーションの管理者
訪問看護ステーションの管理者

業務量の割に収入が少なかったので、友人からの誘いもあり看護師資格を活かした管理職に就くことにしました。

転職してよかったこと

収入が上がりました。また現場業務から離れたので、体力的にも余裕ができてのびのびと仕事に打ち込めています。

転職して後悔したこと

管理する側になったため、これまで以上にコンプライアンスや規定・人材育成など幅広い知識が求められるようになりました。

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