バス運転手を辞めたい、辛いときのストレス解消法|辞めるか続けるべきかの判断基準を解説

この記事は拘束時間の長さや給与の低さに悩んでいるバス運転手向けに辛い職場環境の改善方法をまとめています。今の職場に残るべきか、転職を検討するべきかが判断できるようになります。

監修者経歴
豊島
豊島
株式会社パーソナルナビ メディア事業部。
キャリアアップメディア『THE CAREER』
のインタビュアー兼ライター。
四年制大学の教育学部を卒業後、
都内公立小学校に勤務。
退職後は教育者の経験を活かし、

20代~30代を中心にキャリアアップ支援事業を行う現職に就く。

バス運転手を「辞めたい」「辛い」と感じる理由ランキング

独自で行ったアンケートを基に、バス運転手の業務を行う中で、辞めたい・辛いと感じる理由をまとめました。

理由1位:拘束時間が長い

バス運転手の1日の拘束時間は原則13時間以内、延長する場合でも最大16時間が限度であると定められています。

「拘束される時間=運転している時間」でないとは言え、基本的に9時間が拘束時間となる一般職と比較すると、バス運転手の拘束時間が長いことは一目瞭然です。

拘束時間の合間で休息時間はありますが、帰宅後のようにリラックスすることが難しいのも事実です。

元トラック運転手の声

30代 <br>観光バス運転手
30代
観光バス運転手

日帰りプランでは特にプラン内容が詰まっており、1日の勤務時間がとても長く感じました。日によっては15時間ほどの拘束されることもあり辛かったです。

20代<br>高速バス運転手
20代
高速バス運転手

幼い頃からの夢だった運転手を職業にしましたが、憧れだけでは続けられませんでした。友人の9時〜5時勤務が羨ましかったです。

理由2位:給与が見合っていない

求人サイトに掲載されているバス運転手の平均年収は369万円ほどになっています。
(※2023年1月に求人ボックス掲載の求人情報から算出)
実際の給与額はサイトの情報より低いと予想されます。日本国内のビジネスパーソンの平均年収と比較しても、低い水準であることが分かります。

特に路線バスの運転手は、高速バスや観光バスの運転手に比べ給与が低い傾向にあります。拘束時間が長いという勤務形態に反して、収入が他の業種より低い点が転職を希望する理由のひとつのようです。

元トラック運転手の声

30代<br>路線バス運転手
30代
路線バス運転手

地方ということもあり、かなり給与が低かったです。新卒の時は基本給が20万円でした。これでは将来も不安でたまりませんでした。

30代<br>高速バス運転手
30代
高速バス運転手

元々収入に不満がありましたが、コロナ禍で悪化しました。社員だけで回すようになったので負担は大きく、収入は減りました。

理由3位:腰痛が出やすい

バスの運転手は、運転がメインの業務です。基本的に座った状態で何時間も過ごすため、大きな負担が身体へかかります。

長時間同じ姿勢でいると、腰痛の原因にもなります。特に、猫背や反り腰など日頃から正しい姿勢を保てていない人は、腰への負担も大きくなります。

腰痛発症の有無や大きさには個人差がありますが、その他の勤務形態の精神的ストレスと重なり、転職のきっかけになるようです。

元バス運転手の声

20代<br>高速バス運転手
20代
高速バス運転手

転職のきっかけは、長時間同じ姿勢でいることによる身体の痛みです。大きな不調ではありませんが、給与面と合わせて考えると続ける選択肢はありませんでした。

30代<br>路線バス運転手
30代
路線バス運転手

元々腰痛持ちでしたが、バス運転手を続けているうちに症状が悪化してしまいました。今後のを考えると、身体に負担のかからない食に就くことに決めました。

仕事のストレスを解消して、辛い気持ちを抑える方法

バス運転手を辞めた方10名へのアンケートを参考に、辞めたいと感じる理由に対する対処法をまとめました。

Q. 拘束時間のストレスを減らすには?

A. 休憩時間をリラックスタイムにする。

拘束時間が長いシフトの場合、事務所での休憩の時間や移動場所での自由時間が設けられます。勤務時間をいきなり変えることは難しいため、いかに「拘束時間」を充実させるかに注力してみましょう

仮眠がある場合は、お気に入りのお茶でリラックス効果を高めたり、まとまった休憩時間がある場合は、興味のある小説を読む時間にしたり、自分なりの楽しみ方を模索するのがおすすめです。

A. 上司に相談する。

人手不足などにより、拘束時間が通常より長い状況が続く場合、早急に上司に相談をしましょう。国の規定により、1日の拘束時間は原則13時間以内であることなど、相談する際は必要な情報を集めておくとスムーズに要求を伝えることができます。

同じバス業界の別会社のシフト情報なども入手できると、比較材料として活用できます。

Q. 収入をアップさせるためには?

A. 自分の勤務態度の見直す。

昇給基準やボーナスの設定は運営会社によって異なりますが、多くのバス会社で抜き打ちテストによる「乗務員評価」や「不正乗車防止のボーナス」などが実施されています。

今一度自分の勤務態度を見直すことで、確実に昇給やボーナスのチャンスを掴み取りましょう。転職にはリスクも伴います。職を変える前に、まずは現職で状況打破ができないか、目の前の可能性にチャレンジしてみてください。

A. 別業態のバス会社に転職する

バス会社の中では、路線バス<高速バス<観光バスで給与条件が良い傾向にあります。労働条件はそれぞれ異なりますが、「収入優先で勤務場所を決めたい」という人には観光バスの会社がおすすめです。

とはいえ、各会社によって給与額や昇給制度は異なるため、十分にリサーチをすることが必要です。「バス運転手の仕事内容は好きだけど、給与を上げたい」と考えている方は、ぜひ別業態のバス会社への転職も視野に入れましょう。

Q. 腰痛を防止するためには?

A. 運転席で使えるグッズを用意する。

運転時は必ず運転席に座った状態が続くため、いかにその空間を楽な姿勢で過ごせるかが重要です。座席に使える、自分専用のクッションなどを取り入れてみると良いでしょう。

バスの運転席シートは、ある程度のクッション性はあるもののホールド性や座り心地などは低機能であることが多いです。少しでも運転席を快適に使える工夫を見つけると腰痛防止になります。

運営会社によっては、クッションなどの私物の利用を禁止しているケースもあるため、対策を実行する際は確認を行うようにしましょう。

A. 正しい姿勢を習慣化する。

姿勢が悪いと、腰痛や肩こりの症状に悪影響です。自分が日頃から正しい姿勢で過ごせているのか、チェックしてみてください。

壁に背を向け立ち、踵を壁につけます。この時、後頭部・肩・お尻・ふくらはぎ・踵が壁につく姿勢になります。腰と壁の間に、手のひら1枚分の空間を確保できれば、正しい姿勢の確認ができます。

この時、少しでも違和感がある人は、日頃の姿勢が崩れていると考えられます。意識して姿勢を改善していきましょう

どうしても辞めたい・辛い気持ちが消せない場合は

自分がやりたいことを洗い出してみる

やりたいことが明確でないと、今後も同じ不満を抱えてしまう可能性があります。自身の目指すキャリアを明確にし、やりたい方向に向かっているのか、自己分析しましょう。

自己分析が1人でできない・うまく行かない場合は、「i3 アカデミー」のキャリアカウンセリングがおすすめです。プロ講師による有料級のカウンセリングが、無料で受けられます。あなたのお悩みにあった解決方法が必ず見つかるはず!

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もし仕事を辞めて、転職するならどうしたらいい?

まずは職種を変えるか検討しましょう。決める基準としては年齢が大きく関わってきます

20代であれば、興味のある業界に飛び込んでも問題ありません。30代以降であれば、これまでの経験を活かせる職種の中で検討がおすすめです。

経験を活かせる次の職種

タクシー運転手

運転技術や、土地勘を活かせるのはタクシー運転手です。タクシーはバスに比べ、一度の運行距離が短い傾向にあります。自分のタイミングでひと息つけたり、身体を伸ばしたり、自由度は高くなるでしょう。

営業職

意外な職業かもしれませんが、バス運転手の経験者は営業職も向いています。お客様への配慮やコミュニケーション能力に自信がある人は、営業実績を残せるでしょう。

どこで仕事を探すのがいいの?

仕事を探す方法は大きく3つの方法があります。

種類転職サイト転職エージェント人からの紹介
特徴サイトに掲載された求人から選び、自分で応募キャリアアドバイザーのサポートを受けつつ転職先を探す知人や社員の紹介・推薦により選考が始まる
メリット好きなタイミングで、行きたい企業に応募可能転職先調査などを代行してもらうため、手間がかからない書類選考が免除される場合がある
デメリット求人に応募が殺到し、反応がないことがあるアドバイザーに当たり外れがある不採用時に紹介者との関係が悪化する可能性あり

どの方法を選ぶにせよ、まずは第三者に相談をして客観的な意見を聞いてみることをおすすめします。

みんなはどうしてる?バス運転手の退職・転職状況

業界の離職率
厚生労働省「令和2年雇用動向」調査より引用

バス運転手の離職率に関して、明確なデータは現状存在しません。しかし、バス運転手は一般的に運輸業・郵便業に分類されるため、運輸業・郵便業の離職率が参考になるでしょう。

厚生労働省の令和2年の調査結果では、運輸業・郵便業の離職率は13.3%です。

1日あたりの拘束時間が長い割に薄給であることや、長時間同じ体勢でいることの身体的負担が一因だと考えられます。あなた以外にも辛い職場を経験し、他の業界・職業へ転職する方が多いようです。

仕事を辞めた人、転職した人の体験談

20代の方の体験談①

転職先:飲食店のサービス職

なぜその職業に転職したのか

元 路線バス<br>運転手
元 路線バス
運転手

バス運転手の仕事は、給与も思うようにもらえずやる気を無くしました。料理をすることが好きで、人と関わる仕事につきたいと考えました。

転職してよかったこと

店長候補として、ホール・キッチンどちらも担当しています。飲食業界の中では給与条件も良く、生活に余裕ができました。

転職して後悔したこと

勤務時間の長さは、改善されませんでした。ランチからディナー営業まで通しで働くこともあり、初めの頃は足が筋肉痛でした。

20代の方の体験談②

転職先:電気・ガスの営業職

なぜその職業に転職したのか

元 観光バス<br>運転手
元 観光バス
運転手

観光バスの事故や、バス会社の労働管理状況のずさんさがニュースで取り上げられるようになり、一般職への憧れが強くなりました。

転職してよかったこと

定時で帰れるようになり、プライベートが充実するようになりました。休みの土日休日のため、友人との予定も立てやすくて嬉しいです。

転職して後悔したこと

特にありません。コロナの観光業界への打撃は大きく、収入も下がっていたため、転職して正解でした。

30代の方の体験談①

オンライン面談の様子

転職先:フリーランスのチャットサポート員

なぜその職業に転職したのか

元 高速バス<br>運転手
元 高速バス
運転手

前職では夜間の運行もあり、生活リズムが崩れることに悩んでいました。ワークライフバランスの改善の目的で自宅でできる職を探しました。

転職してよかったこと

業務委託という形で、場所に縛られずに働くことができるようになりました。運転手時代より、収入も増えたのは嬉しいです。

転職して後悔したこと

業務委託のため、将来への不安は少しあります。お金の勉強をして、フリーランスでも不安をなくせるように頑張りたいです。

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