海野翼 社長「人生を切り開く」 |日本の人材教育に変革を与え続ける経営者が語るキャリアとは

今回インタビューを伺ったのは、
(株)i3 experience 代表取締役社長の
海野 翼(うんの つばさ)さんです。

「大人が夢を持てる世の中を創る」をビジョンに掲げる海野社長がこれまでに築いてきたキャリアと、想像する未来についてお聞きしました。

【現在】価値を提供し続ける


— i3 experience の事業内容を教えてください


キャリアアップしたい方や、独立を目指す方、新しい道への挑戦を考えている方向けに教育事業を展開しています。主に「i3アカデミー(キャリアアップスクール)」の運営を行っています。

i3アカデミーでは、「MBA研修」やキャリアアップ、自己成長のために1番重要となる「営業力・コミュニケーションスキルの向上」を中心としたカリキュラム内容を‟実践ベース”で提供しています。日”本は座学のみで学びが終わってしまう傾向にありますが、弊社では学んだことを‟自分のものにすることを最終目標とし、カリキュラムを作っています。インプットしたものを積極的に実践し、足りない部分を改善していくというPDCAサイクルの仕組みをしっかりと構築しています。

弊社では、成長や目標達成のために必要な「本当に乗り越えなければならない課題の発見」に重点を置いています。個別セッションの中で本人の課題を洗い出し、具体的な改善策を伝えることで、伴走しながら確実に自身の問題点に向き合うことができるので、その部分は他社にはない強みだと思っています。


— 経営の中で意識していることは何ですか。


事業を続けていくうえで特に意識していることは2つあります。1つ目は「価値を提供し続けること」です。やはり日本全体の状況を見ても、価値のないものはどんどん衰退しています。受講生の方の状況や課題を僕自身が常に把握することで、その状況に応じたコンテンツ内容の考案や、どう対策していくか会議で議題を取り上げるように心がけています。

2つ目は、「需要と供給のバランスを保つこと」です。今後全国展開を視野に入れているのですが、その時の勢いだけで拠点を増やし続けないことは気をつけています。やはりそこに需要がなければバランスが崩れて衰退してしまうと思うので、‟状況に合わせた事業構想”を意識して経営をしています。

【過去】‟経営”という壁


— 起業をしようと思ったきっかけは何ですか。


『大人が夢を持てる社会を創る』というのが僕の企業理念です。子どもは親や大人の背中を見て育つので、子どもたちが見ても将来に対して希望を抱くことができるような、‟夢を持つ大人の姿”を日本中に溢れさせていきたいという想いで、サラリーマン時代から起業を目指し始めました。

昔から車が好きだったので大学卒業後は、自動車シェア№1の上場企業に約9年間サラリーマンとして勤務しました。好きなことを仕事にしたのでやりがいもありましたが、文句を言いながら働く同僚や、サラリーマンとして働くことに対する経済不安から、この状況から抜け出したいと思い、脱サラを目指し27歳から副業に挑戦しました。

副業時代は、自己投資や資金集めで500万円の借金を抱えたり、苦手な営業に毎日悩まされたりで30歳までは苦悩の日々を送っていました。そんな時ある社長から「1分1秒命を削って生きているのか」と喝を入れられ、会社を辞める覚悟を決めることができました。


— 挫折や、苦しかった経験はありますか?


法人として事業を立ちあげた際、「組織拡大」や「組織運営」という壁に直面しました。
始めの頃は、売上を一気に上げるために代理店という形で営業活動を広めていったのですが、メンバーの入れ替わりが激しく、明確なリーダーが定まらない状況が続き、なかなか組織を拡大することができませんでした。その時に、‟自分にとっての当たり前や普通が他の人にとっては通用しなというギャップに苦しみ、どうすれば同じ想いを伝えることができるのかという課題に頭を抱えてました。

その時期を乗り越えた後も、組織全体の管理という点で苦労しました。更なる事業拡大のため僕が現場を離れたとき、直接面倒を見ることのできない受講生の方に対して、‟間接的にどのように指揮をとるかという点は、今も経営者として葛藤する部分であり、向き合い続けるべき課題だと捉えています。

【未来】生き抜くための教育


— 会社としての展望や目標を教えてください。


日本の教育に不足している「生き抜くための力」を僕らの教育で養うことを目標として掲げています。今の日本では、運動会やスポーツでも順位を決めない、主役を1人に決めないとか‟競わせない”‟みんな平等”という教育が浸透していますが、僕はその教育は間違っていると思います。社会に出たら比べられ、結果を出す人が評価されるのが当たり前なので、子どもの頃から負けたときの悔しさや、できたときの成功体験を培っていくべきだと思います。

現在は、20代~30代を中心に教育事業を行っていますが、将来的には小学生~高校生の子どもたちまで僕らがやっている教育を広めていきたいと考えています。座学中心で‟教科書を見れば答えが書いてある教育”だけでは、本当の意味での思考力や自分の考えを信じる力は育ちません。自分の心で思ったものを正解にし、自分の決断で道を切り開いていくことが当たり前の世の中を創っていきたいです。


— 個人として挑戦してみたいことはありますか?


一度きりの人生を後悔したくないので、幼い頃からの憧れである「プロのレーサーになる」という夢は死ぬまでに叶えたいと思います。

サラリーマン時代にレースに出られる資格は取ったのですが、当時はお金がない、時間がないという理由から実現することができませんでした。今では以前に比べて環境も整い、非公式のレースには出られるようにはなりましたが、今後は夢を実現するために、プロライセンスを取得した人が出場できるレースにも挑戦していきたいです。

【SDGs】日本に貢献できる人を


— SDGsへの取り組みを教えてください。


僕のテーマの1つでもあるのですが、「世の中に周りのことを考えられる人を増やす」ということを教育のカテゴリーで貢献していきたいと思っています。弊社の受講生の方も始めは、夢や目標が自分の野望や欲望に直結しすぎている人がほとんどです。

自分の欲望が強いことは必ずしも悪いことではないですが、ビジネスの本質は問題解決であり、‟世の中、自分の住む地域にどのような問題があるのか”というところにフォーカスし、課題に対して必要な事業やサービスを、考案し生み出していくものです。自分の夢や欲望は行動を起こしていち早く実現し、少しでも早い段階で周りに貢献し、視野を広げて日本のためにできることを考えられる人財を多く輩出していきたいと考えています。

【若者へエール】迷ったら挑戦


― 若い世代の方々へメッセージをお願いします。


僕が1番伝えたいのは、「悩むくらいなら一度挑戦してみる」ということです。ただ、決断は自分自身で下さないと意味がないものなので、後悔しない決断をするためにも、まずは一定数の経験を積んでほしいと思います。

経験が乏しいと、それだけ情報が不足し選択肢が限られてしまいます。逆に言えば、経験値を高めるだけで自分の力で人生の選択肢を広げることができるのです。時間は限られています。若いうちにとにかく色々な「挑戦」と「失敗」を繰り返して、自分だけの人生という道をいち早く決められる状態をつくってほしいと思います。


海野社長へのインタビューを終えて

今回、海野社長にインタビューさせていただいて、教育の価値をどう考えているのか、今若い世代の方々が向き合うべき課題とは何か詳細を伺うことができた。「キャリア教育を通して日本の教育の現状を変えていきたい」というビジョンを抱く海野社長の姿勢に、教育に対する熱意が伝わってきた。

今の日本の‟競わない”‟みんな平等”の教育は、一見平和に見えるかもしれない。だがその状況が当たり前のまま社会に出ると、現実と今までの経験のギャップにより苦しみ、立ち止まってしまう人もいるだろう。そんな未来を防ぐためにも、子どもの時から負けの悔しさや、勝つことの喜びを味わい、自ら成長しようという気持ちを芽生えさせることが重要だと改めて気付かされた。

社会に出たら答えを教えてくれる教科書はない。悩みながらも自分の決断を信じ、挑戦をし続けることで自分だけの人生を切り開くことができる。今後も本メディアでは、キャリアに対して迷いのある若者にヒントとなる情報を発信をしていく。

toyoshima

インタビュアー 兼 ライター

株式会社パーソナルナビ メディア事業部。
四年制大学の教育学部を卒業後、都内小学校に勤務。
退職後は教育者の経験を活かし、20代~30代を中心にキャリアアップ支援事業を行う現職に就く。

会社概要

【会社名】
株式会社i3 experience
(アイスリー エクスペリエンス)

【事業内容】
キャリア育成支援事業

(キャリアアップスクール運営)

【代表氏名】 
海野 翼(うんの つばさ)

【代表経歴】
1987年生まれ。
大学卒業後、カー用品店シェアNo.1の上場企業に約9年間勤務。
30歳で、企業を目指し独立。フルコミッションの営業職に挑戦し、開始半年でトップセールスを記録。
その後は組織構築に目を向け、教育、マネジメントに力を入れ、独立から10カ月目の2018年に株式会社i3 experienceを設立。法人登記1期目で売上1億、2期目で2億を達成。
現在は、i3 business academyを通じ「大人が夢を持てる世の中を創る」を理念に、日本の教育の問題点解消に取り組んでいる。

【本社所在地】
〒104-0061

東京都中央区銀座2-11-8ラウンドクロス銀座2丁目12階

【企業HP】
https://i3experience.co.jp/

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