この記事は夜勤や人間関係で悩む看護師向けに辛い職場環境の改善方法をまとめています。この記事を読むことで、今の職場に残るべきか、転職を検討するべきかが判断できるようになります。
監修者 | 経歴 |
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豊島 | 株式会社パーソナルナビ メディア事業部。 キャリアアップメディア『THE CAREER』 のインタビュアー兼ライター。 四年制大学の教育学部を卒業後、 都内公立小学校に勤務。 退職後は教育者の経験を活かし、 20代~30代を中心にキャリアアップ支援事業を行う現職に就く。 |
看護師を「辞めたい」「辛い」と感じるランキング
独自で行ったアンケートを基に、看護師の業務を行う中で、辞めたい・辛いと感じる理由をまとめました。
理由1位:夜勤で生活リズムが崩れ、体調を崩しやすい
本来寝ている時間に働くことで体調不良になり、身体的な負担を感じている方が多くいました。また体調不良が続き、夜勤後の予定に悪影響が出てしまうケースもあるようです。
2交代制の平均夜勤回数は20年前と比べ増加傾向にあります。人員不足に伴い、一人当たりの夜勤回数が増えている病院も多いようです。
元看護師の声
夜勤と日勤の慣れない生活スタイルが大変でした。夜勤時のスタッフ数が少ない上、患者さんの急変が多いため、常に気が張り詰めていました。
夜勤の前後に体を休めることができませんでした。育児との両立で睡眠時間が確保できない日々が続き、注意力が散漫になっていました。
理由2位:人間関係に悩みがある
張り詰めた空気感にストレスを感じる方が多くいます。命を預かる現場のためチームワークが求められますが、業務量が多すぎて、相手を気遣う余裕がないようです。
看護師は女性が多く、女性特有の嫉妬やマウント、先輩との確執やお局看護師のご機嫌とりなどに悩むことも少なくありません。
元看護師の声
病棟棟全体が常に張り詰めていて、分からないことも聞きづらい雰囲気でした。もうあの頃には戻りたくないと思います。
忙しくて余裕がないと誰しもが言い方や当たりが強くなり、ギスギスした雰囲気が漂うことが何度もありました。
理由3位:激務でプライベートな時間が取れない
仕事量が多いため、常に仕事に追われています。カルテ記入が時間内で終えられず、残業が当たり前…なんてことも。
不定期な休みや夜勤と日勤のバランスにより他職種の友人との交流も減りがちです。患者さんの急変でいつ残業になるか分からないため、日勤後の予定に影響があることもよくあります。
元看護師の声
夜勤があり残業も多かったため、自分の時間が全く取れませんでした。仕事のことを考える時間が多くなり、辞めたいと考えました。
ゆっくり食事がとれないほど動き回る必要があり、気の休まる時間がありませんでした。
仕事のストレスを解消して、辛い気持ちを抑える方法
看護師を辞めた方10名へのアンケートを参考に、辞めたいと感じる理由に対する対処法をまとめました。
Q. 夜勤による体調不良を改善するには?
A. 夜勤後に心身のリフレッシュを行う。
夜勤後にご褒美を用意し、心身共にリフレッシュしましょう。買い物や植物鑑賞などの趣味はもちろんのこと、20分程度の運動、岩盤浴やサウナは睡眠リズムの改善におすすめです。
A. 有給を取得する。
体調が悪いときは、積極的に有給を取るようにしましょう。有給を取るのが難しい場合、夜勤翌日は昼まで睡眠時間を確保し、カフェインの摂取も避けるのが理想です。
夜勤による体調不良がある場合は、師長さんに相談して夜勤の回数を減らしてもらうことや、負担の少ない受け持ちにしてもらうことも必要です。
Q. 人間関係の悩みを改善するには?
A. あえて積極的に人に話しかける。
意図的に話す回数を増やしましょう。人間は接触回数の多い相手に好感を抱きやすいため、通常より1回でも会話を増やすことで、話しやすい雰囲気が醸成されます。
A. 自分の味方になってくれる先輩とつながる。
同期とのコミュニケーションだけでなく、先輩との交流を増やすことで縦のつながりを強化できます。
何でも相談できて気軽に話せる先輩を、1人でも見つけておくとよいでしょう。パワハラなどの問題などが起こった場合には、味方・証人になってくれるので心強いです。
Q. 激務の環境を改善するには?
A. 人材を増やすように要望を出す。
激務の原因は人手不足のケースが多いため、「スタッフ追加が必要」という要望を出しましょう。現場のスタッフが声を上げることで、上層部が問題を把握し解決すべき問題として受け入れてもらえる可能性があります。
A. 激務ではない診療科に異動する。
診療科によって、労働時間や仕事量は大きく変わります。事前に他科の看護師に残業量や、有給のとりやすさを聞いておくと良いでしょう。
同じ病院内であれば、転職に比べて手続きが少なくスムーズに異動できる場合があります。異動できないときは、転職も検討することをおすすめします。
どうしても辞めたい・辛い気持ちが消せない場合は
自分がやりたいことを洗い出してみる
やりたいことが明確でないと、今後も同じ不満を抱えてしまう可能性があります。自身の目指すキャリアを明確にし、やりたい方向に向かっているのか、自己分析しましょう。
自己分析が1人でできない・うまく行かない場合は、「i3 アカデミー」の無料自己診断がおすすめです。無料診断やキャリアプランナーの無料相談など、お悩みにあった解決方法が必ず見つかります。
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もし仕事を辞めて、転職するならどうしたらいい?
まずは職種を変えるか検討しましょう。決める基準としては年齢が大きく関わってきます。
20代であれば、興味のある業界に飛び込んでも問題ありません。30代以降であれば、これまでの経験を活かせる職種の中で検討がおすすめです。
経験を活かせる次の職種
ケアマネージャー
医療保険や介護保険を利用して訪問介護看護を受ける人のサポートをします。看護師の経験から、介護や看護を受ける側の求める気持ちを、的確に汲み取ることができます。
保健師
行政や企業、学校などで保健指導を行う仕事です。働くフィールドは看護師と異なる部分もありますが、健康に関する知識を最大限に活かすことができます。
どこで仕事を探すのがいいの?
仕事を探す方法は大きく3つの方法があります。
種類 | 転職サイト | 転職エージェント | 人からの紹介 |
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特徴 | サイトに掲載された求人から選び、自分で応募 | キャリアアドバイザーのサポートを受けつつ転職先を探す | 知人や社員の紹介・推薦により選考が始まる |
メリット | 好きなタイミングで、行きたい企業に応募可能 | 転職先調査などを代行してもらうため、手間がかからない | 書類選考が免除される場合がある |
デメリット | 求人に応募が殺到し、反応がないことがある | アドバイザーに当たり外れがある | 不採用時に紹介者との関係が悪化する可能性あり |
どの方法を選ぶにせよ、まずは第三者に相談をして客観的な意見を聞いてみることをおすすめします。
みんなはどうしてる?看護師の退職・転職状況
「2021年 病院看護・外来看護実態調査」で得られた看護師の離職率を過去5年のデータと比較してみると、新卒・既卒・正規雇用全体の離職率は大きな変動なく推移しています。
ただ、正規雇用全体の離職率は17.6%と高く、医療福祉全体の離職率14.2%を3.4ポイント上回る結果となりました。
他の職種に比べ夜勤などがあり、想像よりも肉体的・精神的に辛いことが一因だと考えられます。あなた以外にも辛い職場を経験し、他の業界・職業へ転職する方が多いようです。
仕事を辞めた人、転職した人の体験談
20代の方の体験談①
なぜその職業に転職したのか
宿直などの積み重ねにより生活のバランスが乱れ、不眠症と診断されました。この生活のリズムを続けていくのは無理だと思い転職しました。
転職してよかったこと
規則正しい生活が送れるようになりました。また、厄介な患者さんの相手をする必要がなくなり、ストレスが減りました。
転職して後悔したこと
夜勤などの手当がなくなってしまったことに加えて、資格手当もなくなり、月収が減りました。
20代の方の体験談②
なぜその職業に転職したのか
学生の頃から保健師になりたい願望があったことに加え、勤めた病院が急性期病院で常にピリピリした雰囲気だったからです。
転職してよかったこと
人間関係に余裕ができました。転職後の同僚は皆、余裕があってプライベートの相談もしやすい環境です。
転職して後悔したこと
給料が下がったことです。前職では夜勤があったので、今より5万円ほど多くもらえていました。
20代の方の体験談③
なぜその職業に転職したのか
の店員
看護師時代は、勉強会や地域開催のお祭りなどに休日でも強制的に出勤させられていました。
転職してよかったこと
アニマルセラピーという言葉もあるように、動物のお世話をしているだけで癒しになります。また、休みの日も安心して休むことができるようになりました。
転職して後悔したこと
看護師として培った知識は、ペットショップでは活かせず無駄になっています。せっかく看護学校を卒業したのでその面では少し後悔しています。
30代の方の体験談①
なぜその職業に転職したのか
の看護師
毎日夜遅くまで残業が何日も続き、家庭のことがおろそかになっていたためです。残業が最低限で済む職業を選ぶ必要がありました。
転職してよかったこと
激務ではなくなり、ワークバランスがとりやすくなりました。早く帰宅できるようになり、家族と一緒に話したり楽しんだりする時間が持てるようになりました。
転職して後悔したこと
年収が下がったことです。大学病院と比べると忙しさや勤務時間が軽減されましたが、その分給料が減少しました。
30代の方の体験談②
なぜその職業に転職したのか
の非常勤講師
前職は夜勤の合間の委員会・研究も体力的にきつく、育児との両立が困難でした。免許を活かして転職を考えました。
転職してよかったこと
病院では急変がつきもので何年勤務しても慣れることがなくストレスでした。転職後は学生相手なので、こちらのペースで指導ができる上に、達成感が得られます。
転職して後悔したこと
休校などの際に仕事がなくなることです。非常勤講師なので、休校が続くと仕事がなくなり収入が不安定になることが、この先のネックです。
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